小松菜 は本来、冬が旬の野菜ですが、現在では通年栽培により1年中スーパーで購入することが可能に。
アブラナ科の仲間である小松菜は、緑黄色野菜の中でも非常に栄養価が高く、なんと免疫力を上げてくれる効果も期待できます。
優れた抗酸化作用と免疫力アップで、風邪予防をはじめ感染症対策、生活習慣病予防、がん予防、デトックス、便秘改善、アンチエイジングに美肌効果も期待できるスーパー野菜 「小松菜」の魅力についてお伝えします。
小松菜の栄養効果
ほうれん草の倍以上の鉄分とカルシウム
小松菜には鉄分、カルシウム、ミネラル、ビタミン類など緑黄色野菜の中でも優れた栄養価を誇ります。小松菜の鉄分・カルシウムの含有量は、なんと、ほうれん草の倍以上含まれています。
そして小松菜に含まれるビタミンKはカルシウムとマグネシウムの結びつきを強化し、カルシウムの吸収率を高め、骨の形成を促す作用があります。
鉄分は貧血予防に、カルシウムは歯や骨を丈夫にし、骨粗鬆症を予防。カルシウムにはホルモンバランスを整えイライラした時に精神を落ち着かせてくれるはたらきもあります。
老化防止のビタミンEとカロテノイド
小松菜にはビタミンEとカロテノイドが豊富に含まれています。実にキャベツの9倍ものビタミンE含有量。 ビタミンEは老化や病気の原因となる活性酸素の発生を抑える抗酸化作用に優れています。
抗酸化力によって細胞の老化を防ぎ、がん予防やホルモンバランスを整えたり、肌細胞を活性化し美肌効果も。
カロテノイドは自然界の動植物に存在する赤や黄色などの天然色素成分。カロテノイドは代表的なリコピン、カロテン、アスタキサンチンなど強力な抗酸化成分をはじめ、700種類以上存在するといわれています。
そして、小松菜に含まれるカロテノイドはなんとキャベツの60倍以上含まれているということ。カロテノイドの強力な抗酸化パワーによって活性酸素の発生を抑制し、動脈硬化などの生活習慣病を予防したり、がんや老化予防などさまざまな疾患の予防効果があると考えられています。
さらに免疫機能活性作用もあるといわれ身体の健康維持やエイジングケアに、ビタミンEもカロテノイドも最強の抗酸化成分です。
イソチオシアネートで免疫力アップ
体の免疫力を上げるには・・・
- 免疫細胞を活性化させる
- 免疫細胞の数を増やす
この2つがポイントです。 ビタミンEやカロテノイドが免疫細胞を活性化してくれるのに対して、イソチオシアネートは免疫細胞の数を増やしてくれる働きがあります。
イソチオシアネートは食材を切ったり擦りおろしたりすることで生成される栄養素で、アブラナ科の野菜から生成されます。中でも小松菜にはたくさん含まれています。
ビタミンEやカロテノイドとイソチオシアネートの相乗効果でより免疫力を高めてくれる小松菜は、まさにスーパー野菜といえるでしょう。(小松菜の他にアブラナ科の野菜は、白菜、キャベツ、ブロッコリー、大根、ワサビなど)
イソチオシアネートは体の免疫力を高め、風邪やウィルスによる感染の予防、動脈硬化が招く生活習慣病予防、老化予防など様々な効果を期待できます。
イソチオシアネートによる抗がん作用にも注目が集まっています。がんになる前の異常細胞の増殖を防いだり、がん細胞の発生を抑制し、抗がん力を高める働きがあると考えられています。
デトックス作用でむくみや便秘改善効果
小松菜にはカリウムや食物繊維が多く含まれています。カリウムは体内の老廃物やナトリウム(余分な塩分)を排出するデトックス作用があり、むくみを改善し、血液の流れを正常に導いてくれる働きがあります。
食物繊維は腸内環境を整え、便秘対策にも効果を望めます。カリウムや食物繊維には血圧を下げる作用もあるので高血圧の改善にも役立つでしょう。
栄養素を効果的に摂取する方法
アブラナ科の野菜から生成されるイソチオシアネートは熱に弱いので、小松菜は生食でいただくのが理想です。
そしてイソチオシアネートの成分はもともと小松菜に含まれているのでは無く、細かく刻んだり、擦りおろしたりして細胞がこわれることで産生されます。
ミキサーにかけて、野菜スムージーにすれば効果的にとり入れやすくなります。そして作り置きをせずに早めにいただくのもポイント。
時間の経過とともにイソチオシアネートや栄養素は酸化が進み、減少してしまうからです。 また、水に浸す時間が長いと栄養素が水に溶けだしてしまうので手早く流水で洗いましょう。
冷凍保存は食品としては保ててもイソチオシアネートは減少してしまうので、おすすめできません。 小松菜の1日の理想摂取量は1茎(50g)です。 効果的に摂取するポイントは
- 生で食べる
- 細かく刻んだり、擦りおろす
- 調理後は早めに摂取
便秘解消&美容健康スムージーレシピ
材料(2~3人分)
- 小松菜⇒ 1茎(50g)
- ニンジン⇒ 1/2本
- ショウガ⇒ ひとかけ
- レモン搾り汁⇒ 少量
- 黒酢⇒ 少量
- 甘酒⇒ 150ml
- 氷⇒ 適量
小松菜をベースに、他の食材はブロッコリー、ほうれん草、キウイ、ベリー類などをプラスしてアレンジすると飽きずに続けやすくなります。
ポイントは、ミキサーの撹拌による摩擦熱を抑えるために最初に氷を入れることと、野菜や果物の切り口が酸素にふれることで酸化していくのを防ぐ役割のレモンの搾り汁を入れることです。
一方果物には果糖が含まれており、スムージーにすることで体内に吸収されやすく血糖値が上がりやすくなる面も。そのため糖度の低いキウイやベリー類などを選ぶと良いです。
黒酢には血糖値の上昇を緩和する働きがあり、ショウガには高い抗糖化作用があります。
選び方と保存方法は?
生のまま食べるので、残留農薬や化学肥料の心配のない自然農や有機農の小松菜を選びたいですね。オーガニックの小松菜は一般的な慣行栽培の小松菜と比べて、えぐみや苦みが少なく、自然な緑色をしていて、栄養価も高くなりますよ。
保存方法はキッチンペーパーや新聞紙を軽く濡らして小松菜を包み、ビニール袋に入れて、生えている状態に近付け立てて冷蔵保存します。3~4日ぐらい日持ちします。
注意点
何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」で小松菜をはじめアブラナ科の野菜を大量に食べ過ぎると、ワカメなどに含まれるヨウ素の吸収が阻害され、甲状腺機能に影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。
全ての食べ物にいえますが、体に良いからと言ってそればかり食べるというのは栄養が偏ったり、その食品固有のマイナスな成分を体内に溜め込むことにもなります。
そのためわが家では食品に限らず飲み物の種類も毎日連続しないように変えたり、さまざまな種類の食材から栄養素をバランス良くとり入れるようにしています。
最後に
私の夫は難病の影響もあり、これまでひどい便秘に悩まされてきました。便秘に良いとされる食品などを色々試してきたのですが効果がなく、ようやくこの小松菜スムージーで改善されてきました。
この実体験が小松菜の記事を書く契機に。人間の体は食べたものでつくられていることを実感しました。健康を維持するために栄養素は互いに協力しあって体内で働いています。
さまざまな食材をバランス良く適量を摂取しながら日々の食生活に小松菜をプラスして、腸内環境をキレイに免疫力アップ、美肌づくりに役立てていきたいですね。