パプリカはピーマンと同じトウガラシの仲間で、アンチエイジングに嬉しい抗酸化力のあるビタミン類が豊富に含まれています。
健康や老化予防に人気のパプリカ
中南米が原産のパプリカはナス科トウガラシ属の一種で、ピーマンも同じ仲間です。
緑ピーマンが未成熟であるのに対して、完熟したパプリカは肉厚で赤、黄、オレンジなど鮮やかな色合いでピーマンよりも苦みは少なく、水分が豊富で甘みがあり、生でも食べやすいのが特徴です。
パプリカは緑ピーマンと比べて熟成されている分、栄養価も増加しています。カロリーが低く、ビタミンCや抗酸化物質が豊富に含まれているため、健康やアンチエイジング食として人気のある野菜のひとつです。
抗酸化ビタミンとミネラル
ビタミンC
パプリカにはビタミンCが豊富で、緑ピーマンのおよそ2倍ものビタミンCが含まれています。
ビタミンCには強い抗酸化作用があります。老化や病気の原因となる活性酸素を抑制し、皮膚の老化を防いで、細胞を元気にする抗酸化ビタミンです。
そしてビタミンCは美肌に欠かせないコラーゲンを合成したり、血管や皮膚、粘膜、骨の強化、免疫力を高めて感染症から守るはたらきもあります。
ビタミンE
パプリカにはビタミンEも豊富に含まれています。若返りのビタミンともよばれているビタミンEは強力な抗酸化作用で細胞の老化を防ぎます。
血行を促進して新陳代謝を高めたり、ホルモンバランスや自律神経を整えるはたらきにも関与しています。
ビタミンEは脂溶性ビタミンなので油と一緒に調理すると吸収されやすくなり、ビタミンCと一緒にとることで相乗効果が高まります。
ビタミンA
ビタミンAは緑黄色野菜などに多く含まれている色素成分ベータカロテンから、体内で必要量がビタミンAとしてはたらくプロビタミンAです。
ビタミンAは皮膚やのど、鼻などの粘膜、目の健康を保ち、肌細胞の再生を促すはたらきもあるため美肌にも役立ちます。
脂溶性のビタミンAは油と一緒に摂取したり、ビタミンCやビタミンEなど他の抗酸化成分と組み合わせてとることで体内への吸収率がアップします。
ビタミンA(ベータカロテン)はパプリカのほか、レバーなど動物性食品に多く含まれています。
カリウム
パプリカには必須ミネラルのカリウムが含まれています。カリウムは体内では合成されないため食べ物などから摂取する必要があります。
カリウムはナトリウムとともに細胞内外の浸透圧を調節し、過剰なナトリウムと水分を体外へ排出してむくみに効果が期待できます。
また、カリウムは血圧を下げるはたらきがあるため高血圧を予防したり、筋肉の収縮を調整し心臓の健康にも関与しています。
カリウムはパプリカのほか、アボカド、バナナ、ひじきなどにも含まれています。
フィトケミカル抗酸化物質
カプサンチン
カプサンチンはパプリカの赤や黄の色素成分で、カロテノイドの一種です。
カプサンチンは強力な抗酸化作用をもち、アンチエイジング効果にも期待できる抗酸化成分です。
動脈硬化をはじめ生活習慣病を予防したり、脂肪燃焼促進効果にも期待されています。
ベータクリプトキサンチン
植物がもつ色素や香り、苦み、辛味などに含まれる成分「フィトケミカル」は天然の強力な抗酸化作用をもち、代表的な成分としてポリフェノール、カロテノイド、硫黄化合物などがあります。
カロテノイドにはカロテン類とキサントフィル類に分けられ、ベータクリプトキサンチンはキサントフィル類に分類されます。
黄パプリカ、オレンジパプリカやみかんなどの黄色い色素成分にはベータクリプトキサンチンが豊富に含まれています。
キサントフィル類には自然界最強の抗酸化作用をもつといわれるアスタキサンチンも含まれており、ベータクリプトキサンチンの抗酸化力はリコピンなどのカロテン類よりも強力な可能性があると考えられています。
ルテイン/ゼアキサンチン
黄パプリカ、オレンジパプリカには黄色の色素成分で高い抗酸化力をもつカロテノイドのルテインや、ゼアキサンチン、ベータカロテンが含まれています。
ルテインはゼアキサンチンとともに網膜の黄斑部や水晶体に存在しており、目の健康改善を助けるはたらきがあります。
ベータカロテンは体内でビタミンAに変換され皮膚や粘膜を強化し、美肌効果にも役立ちます。
パプリカでアンチエイジング
パプリカには強力な抗酸化作用をもつビタミンCや、さまざまなカロテノイドが豊富に含まれています。
これらは全て優れた抗酸化力があり、意識的にとりいれることを習慣化することで、過剰な活性酸素によって引き起こされる病気を防いだり、老化のスピード遅らせることにつながる可能性があります。
ほかの抗酸化食材と組み合わせてとると、吸収効率が良くなり、さらに相乗効果が高まります。