春が旬の「新玉ねぎ」で免疫力アップ?栄養効果とは

春が旬の新玉ねぎは春先になると最盛期を迎え店頭に出回ります。スーパーやレストラン等で新玉ねぎを見かけると、冬が終わり春の訪れを感じます。

新玉ねぎは、通常の玉ねぎよりも辛みが少なく、やわらかくて、みずみずしい食感が魅力です。辛みが苦手な方でも、この季節に是非楽しみたい春野菜のひとつではないでしょうか。

そんな新玉ねぎの栄養効果や効果的な食べ方についてお話します。

新玉ねぎとは?

一般的な玉ねぎは黄玉ねぎともいわれ、一年を通して店頭に並べられています。一般的な玉ねぎは保存性を高め、日持ちを良くするために収穫後1か月ほど乾燥させてから出荷しています。

一方、新玉ねぎの出回る時期は2月から5月で、新玉ねぎは収穫した後、乾燥させずに出荷されます。乾燥させてないため、豊富な水分をたくわえており、やわらかくて辛みが少ないことが特徴です。

新玉ねぎはスライス後、水にさらしたり、時間を置かなくても辛みが少なく、みずみずしい食感で手軽に生食できるのが魅力です。

新玉ねぎの栄養効果は?

新玉ねぎと一般的な玉ねぎの成分は、さほど変わりません。玉ねぎはにんにくやエシャロット、長ねぎ等、同じネギ属の仲間で、カロリーは低く、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で栄養成分の優れた野菜です。

ネギ属の野菜は古来より健康機能性を持つ食品として親しまれてきました。特に玉ねぎの持つ健康機能性についてはいくつかの成分が注目されています。

血液サラサラ硫黄化合物

硫黄化合物は玉ねぎやにんにく、長ねぎなどに含まれる特有の涙を誘う刺激臭や辛み成分のもとで「硫化アリル」「アリル化合物」とも呼ばれています。

硫黄化合物は血液中の血小板の凝固を抑え、いわゆる「血液サラサラ効果」に優れているため、血栓を防いだり、動脈硬化や脳梗塞など血行に関わるさまざまな疾病を予防してくれます。

さらに、ビタミンB1と結合しやすく、吸収率を高めてくれるので疲労回復作用もあり、新陳代謝を活発にしてくれます。

硫黄化合物の主な種類

  • アリシン/アリイン・・・アリインはにんにくや玉ねぎ、長ねぎなどに含まれ、切ったりすり下ろしたり細胞が傷付くことで、アリナーゼという酵素反応によってアリシンが生成されます。アリシンは刺激臭や辛み成分のもとであり、ビタミンB1の吸収をサポートし疲労回復作用が特徴的な成分です。他にも殺菌作用に優れ、血液サラサラ作用や免疫力、代謝機能の向上、生活習慣病予防、がん予防などに効果を期待できます。
 
  • アホエン・・・生のにんにくを切り刻んだり、すりつぶしたものをオイルで低温加熱することによってアホエンという成分が生成されます。アホエンには強力な抗酸化作用があり、特に脳を活性化すると言われ、記憶力アップや認知症、脳梗塞、パーキンソン病などの予防・改善に期待されています。
 
  • イソチオシアネート・・・大根やわさび、にんにく、ネギ類などアブラナ科の植物から生成される成分です。切ったり、すり下ろしたりすることによって酵素や辛みのもととなる成分の化学反応がおき産生されます。発がん抑制や抗酸化作用、食欲増進、殺菌作用などがあります。酸化しやすく熱に弱いので、すり下ろしたら生のまま早めにいただくのがポイントです。

 

抗酸化パワーケルセチン

ケルセチンは、ポリフェノールの一種であるフラボノイド抗酸化物質に分類され野菜の中では玉ねぎに多く含まれています。

一般的な黄玉ねぎの茶色い外皮に最も多く含まれていますが、新玉ねぎにも含まれています。

※フラボノイドは植物が厳しい環境や外敵から身を守るために作り出したと考えられるポリフェノールの一種

フラボノイドの中でもケルセチンは強力な抗酸化作用があることは有名で、病気や老化の原因となる活性酸素を抑制したり、コレステロールや中性脂肪の代謝を促進してくれるので、さまざまな生活習慣病の予防や免疫力の向上、エイジングケアにもつながるでしょう。

ケルセチンの健康機能性は様々な機関で研究され、ケルセチンやそれに似たフラボノール類を多く摂取している人は心筋梗塞の死亡率が低く、血中のLDLコレステロールが低かったとの調査報告があります。

また、肥満や糖尿病をはじめとする生活習慣病や認知機能の改善に効果があると期待されています。

ビタミン・ミネラル・食物繊維

特に水分の多い新玉ねぎには、ビタミン・ミネラル・食物繊維などの含有量は少なくなりますが、これらの栄養素は満遍なく含まれています。

体内で抗酸化物質として作用したり、鉄やコラーゲン生成のサポートをするビタミンCや、葉酸、ビタミンB6も含まれています。

これらは健康な身体の構成に必要なアミノ酸の代謝を促進したり、赤血球の産生、神経機能に重要な役割を果たします。

また、腎機能や筋肉収縮、体液バランス、神経伝達などに必要なカリウムも含まれています。カリウムは多くの人が不足しがちだといわれているミネラルです。

ミネラルは身体の構成部分となったり、調子を整えるといった重要な役割があり、体内で合成することができないため食物等から積極的にとりいれていくことが大切です。

そして、玉ねぎに含まれる水溶性食物繊維は糖質の吸収を抑え、体内の不要な老廃物を体外に排出しやすくしたり、ビフィズス菌のエサとなって腸内環境を整えてくれる作用があります。

効果的な食べ方

新玉ねぎに含まれる硫黄化合物(硫化アリル)やケルセチンなどは水溶性のため水にさらすと栄養素が流れてしまうので、生食がおすすめです。

新玉ねぎは通常の玉ねぎ(黄玉ねぎ)のような辛みは少なく、水分が豊富で甘みとみずみずしい食感が魅力です。

スライスしていつものサラダにプラスしたり、パンに挟んだり、ぜひ生のまま新玉ねぎを楽しんでみてはいかがでしょうか。

日持ちや保存方法は?

通常の玉ねぎ(黄玉ねぎ)は収穫後、乾燥させているので長期保存ができます。一方、新玉ねぎは水分が多く日持ちしません。

風味がおちやすいため、美味しく食べられるのは購入後2~3日以内が目安。

水分の多い新玉ねぎは常温で保存すると傷みやすくなってしまうので、新聞紙かキッチンペーパーに包んでからビニール袋等にいれて、冷蔵庫の野菜室で保存すれば1週間程度は持ちます。

まとめ

新玉ねぎに含まれる優れた化合物によって抗酸化作用や免疫機能の改善を促してくれます。

辛みが少なくジューシーな新玉ねぎは生のまま栄養素をまるごといただくのがポイント。

鮮度が大事な新玉ねぎは日持ちしないので購入後は早めにいただきましょう。    

ケルセチンで「血流改善」「炎症抑制」ケルセチンとは?

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病。 食生活やライフスタイルを見直したことで心身の良い変化を実感し、これまでの経験から難病の進行抑制、心と体の健康、エイジング対策探求に情熱を注いでいます。
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