長年にわたり幅広い世代に親しまれてきている ラムネ のお菓子。実はこの ラムネ のお菓子には驚きのパワーが秘められているのです。 「二日酔いに効く」、「集中力アップ」、「将棋のプロ棋士も愛好者が多い」など話題に。ではそのメカニズムとは?真相を探ってみました。
脳の唯一のエネルギー源ブドウ糖
脳は体の中でも大量の酸素とエネルギーを必要としています。脳は体重のおよそ2%ほどですが、酸素やエネルギーは全身の20%を脳が消費しているのです。
体の細胞は主にブドウ糖をエネルギーとしていますが、他にタンパク質や脂肪などもエネルギーにすることができます。
しかし、脳がエネルギーとして使えるのはブドウ糖だけなのです。脳内へ入る過程では血液脳関門という厳しい関門があり、限られたわずかな物質以外、ここを通って脳内へ入ることはゆるされません。 異物などを侵入させないよう脳を守るために制限がされているのですが、ブドウ糖はこの血液脳関門を突破できる数少ない物質のひとつなのです。
さらに、脳ではブドウ糖を蓄えておくことができず、常に補給をして、安静時や睡眠中も24時間ブドウ糖をエネルギーとして消費して働き続けています。
糖類の違いでエネルギー変換時間に差が生じる
糖類は大きく分けて単糖類と二糖類に分けられます。砂糖(ショ糖)はブドウ糖と果糖が結合した二糖類で、ブドウ糖と果糖は単糖類に分類されます。
- 単糖類→ ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトースなど
単糖類と単糖類が結合すると二糖類になります。ブドウ糖を脳へのエネルギーにするためには、例えば砂糖(ショ糖)を摂取した場合、体内でブドウ糖と果糖に分解されてから、ブドウ糖だけが脳のエネルギー源として吸収されます。
一方で単糖類のブドウ糖はこれ以上分解する必要がないので、二糖類のように分解という段階を経ることなく、体内に入ると最も素早く脳のエネルギーとして使うことができるのです。
速効性がある為、点滴など、医療現場でもブドウ糖が活用されていますね。 ちなみに似て非なる「ブドウ糖果糖液糖」などは単糖類のブドウ糖ではありませんのでご注意を。
ラムネの成分に注目
ロングセラーのラムネは子供から大人まで昔から親しまれてきているどこか懐かしい駄菓子の一つでもあります。 透き通った青いラムネ瓶をイメージして作られたという小さな可愛い容器の森永ラムネですが、その主成分はなんと90%がブドウ糖でつくられていたのです。
各社メーカーによってブドウ糖の配合量は異なりますが、この森永ラムネの主成分が実はブドウ糖90%という高配合な点が注目され、評判があるようですね。
森永ラムネはスーパーやコンビニで70円ほどで手に入り、脳へのエネルギー補給として気軽に摂取できることも人気の秘密なようです。 全ての種類のラムネ菓子が同じ成分ではないので原材料名をチェックしましょう。
ラムネのブドウ糖パワー
二日酔いの原因は低血糖
では、ラムネ(ブドウ糖)は二日酔いにも効くのでしょうか? およそ500種類もの仕事を同時進行で高速処理してくれている肝臓ですが、アルコールが体内に入ってくると、最優先で解毒・分解を行います。
その時に必要なエネルギーがブドウ糖なのです。 しかし、大量のアルコールを処理していると、ブドウ糖の生成や糖新生(体内のブドウ糖が不足の事態に糖質以外の物質からブドウ糖を産生する機能)を抑制してしまい、血液中のブドウ糖が低下し、低血糖になりやすくなるのです。
飲酒後に小腹が減ってラーメンや炭水化物を摂りたくなるのは血糖が低下しているサインです。 二日酔いのメカニズムは、アセトアルデヒドの影響であったり、他にもさまざまな要因が関連していると諸説ありますが、実はまだ解明されていないことも多いのです。(単に飲み過ぎが原因であるということは明白ですが)
さまざまな要因がある中のひとつとして、体内のブドウ糖血糖が低下することで脳に必要なエネルギーが送られないことから、二日酔いの頭痛や倦怠感などの原因になると考えられています。
そこで飲酒の前後や、飲酒中にラムネ(ブドウ糖)を食べれば脳のエネルギー不足を補え、二日酔い予防に効果的だということです。 高カロリーのおつまみやラーメン、炭水化物などをラムネに置き換えたらカロリーも大分抑えられ、二日酔い予防に一石二鳥となる可能性もあるかもしれません。
森永ラムネ菓子のほか調べた結果、100%ブドウ糖のラムネも他メーカーで多種販売されているのでこちらも良さそうです。
二日酔いに悩まされたら脳のエネルギー源ブドウ糖を摂れば頭がすっきりして二日酔解消に良いかもしれませんね。
脳へのエネルギーチャージ
ラムネ(ブドウ糖)は速やかな脳への栄養補給をしてくれるので二日酔い予防以外にもさまざまな活用方法があります。
- 朝の寝起きやドライバーなどの眠気覚まし
- 勉強や仕事の集中力をアップさせたいとき
- 少量で脳が満足するので小腹サポートダイエット効果も
脳へのエネルギーが不足し、低血糖になることで眠気が生じてくるので、数粒食べれば眠気覚ましに効果あり。脳のエネルギーとして即効性があるので、受験生や仕事の効率アップにも効果を期待できるでしょう。
将棋界では対局時にラムネやブドウ糖タブレットを用意するプロ棋士も少なくないんだとか。脳のエネルギーを大量に消費するため、1日の対局で2キロ体重が減るという話もあります。
森永ラムネのカロリーは1本100カロリーほどなので、ダイエット中や小腹が減った時に数粒食べるだけで、脳が満足し、満腹感が得られダイエットもしやすくなりそうです。
脳は睡眠中もブドウ糖をエネルギーとして消費し続けているために朝は血糖値が下がっています。時間のない朝でも朝食代わりにラムネを数粒摂れば眠気がふきとび、頭もシャキっとするでしょう。
注意点
脳を活動的にしてくれるラムネ(ブドウ糖)ですが、食べ過ぎは血糖値を上げてしまいます。森永ラムネなら5~10粒を目安に。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」で食べ過ぎにはご注意を。
メーカーによってラムネの成分は違うので、原材料名をチェックすることをお忘れなく。二日酔いに効果があるといっても飲み過ぎはNG!飲酒は節度を保って楽しみましょう。