レタスは世界で最も消費されている野菜のひとつです。サラダやサンドウィッチなどで多用されシャキシャキとした食感が魅力のなじみ深い野菜ですが、その栄養価については少ないのではという印象があります。
そんなレタスですが、実は免疫力アップにつながる成分が含まれているといわれているのをご存知ですか?
玉レタス(アイスバーグ)
レタスは玉レタス、リーフーレタス、ロメインレタス、サラダ菜、サンチュなど、さまざまな形状、葉質、食感の種類に富んでいます。
一般的に日本でなじみ深い「玉レタス」は生産量が多く、葉が丸まってキャベツのように結球しているのが特徴です。海外ではアイスバーグレタスと呼ばれています。
玉レタスはファーストフードのハンバーガーやサラダなどに多く使われていますね。みずみずしく、シャキシャキした食感がさわやかなレタスですが、栄養成分はどうなのでしょうか。
厚生労働省が定めた緑黄色野菜の基準は「100gあたりのβ-カロテン含有量が600㎍以上」と示されています。
これによるとリーフレタスやサラダ菜、サンチュなどは緑黄色野菜に分類され、玉レタスやロメインレタスは淡色野菜に分類されます。 そしてレタスの中でも玉レタスは95%以上が水分で構成されています。
水分含有量が多く、淡色野菜の玉レタスは他の野菜とくらべて栄養価が豊富ではありません。ただ、思いの外ビタミンやミネラルが含まれおり、さらに免疫力アップにつながる成分が含まれているともいわれているのです。
玉レタスの健康効果
免疫力を高める
野菜の抽出液をマウスの白血球に投与し、TNF-αという物質の産生量を調査した研究があります。
TNF-αとは体内のがん細胞を壊死させる物質なので、TNF-αの産生量が多い野菜は免疫力を高めてくれることにつながります。 その結果では、野菜の中で一番TNF-αを多く産出したのは「レタス」だったのです。
その次に、白菜、小松菜、ブロッコリーです。これまでレタスや白菜など栄養価が低いと思われてきた淡色野菜に免疫力を上げるパワーが秘められていたとは驚きですね。
ダイエット食に最適
玉レタスは水分含有量が多く、カロリーが非常に低い野菜です。カロリーはひと玉およそ59kcal、100gあたりでは12kcalほどで、微量なビタミンやミネラルなどの栄養素と豊富な水分を含有しているので、ダイエットや減量のサポートには最適です。
安眠へいざなう
レタスを切った時にでてくる白い液体「ラクチュコピクリン」という苦味物質があります。この成分には精神を落ちつかせて質の良い睡眠へいざなう作用があるといわれ、玉レタスには少量ですが含まれています。
この鎮静作用や睡眠促進作用を特に期待できるのはワイルドレタスです。19世紀頃まで鎮静剤として利用されたこともあるということです。
玉レタスの栄養価
玉レタスはセロリやキュウリのように95%以上が水分で、栄養価が低いというイメージですが、実はビタミンやミネラルなど体に必要な栄養素がバランス良く含まれています。
■ビタミンA(βカロテン)・・・皮膚や粘膜の健康維持に役立つ/細胞の成長をサポート/抗酸化作用
■ビタミンK・・・カルシウムと一緒に作用して丈夫な骨をつくるビタミン/血液凝固にも不可欠
■ビタミンC・・・免疫機能や健康維持に欠かせない優れた酸化防止剤/老化予防/美肌/風邪予防
■葉酸・・・ビタミンB群である葉酸はDNAや遺伝物質の合成に欠かせない栄養素なので妊娠中や妊娠前の女性には特に大切
■カリウム・・・食事中にとり過ぎた塩分を減らして血圧を下げるミネラル/高血圧予防/むくみ防止
免疫力アップとミネラル水分補給
免疫力アップにつながる効果を期待できる玉レタス。そして玉レタスは高い水分含有量のために緑黄色野菜ほどの栄養価は高くありませんが、水分とビタミン、ミネラルを同時に補給することができるので野菜のミネラルウォーターともいえます。
玉レタスは単体ではなく、ほうれん草やブロッコリーのような緑黄色野菜などと一緒にバランス良くとりいれ、栄養を補い合いながら連携して体内で機能させることが大切です。