春の訪れを感じる菜の花は鮮やかで美しい黄色い花を咲かせる春が旬の緑黄色野菜です。
菜の花にはビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が野菜の中でも豊富にバランス良く含まれています。
菜の花はアブラナ科
春が旬の菜の花は大根や小松菜、キャベツ、ブロッコリーなどと同じアブラナ科の植物です。
成長過程によって「青菜」「油菜」「なのはな」「なばな」とも呼ばれ、黄色い花が咲く前のつぼみや、やわらかな葉、茎を食用としています。
菜の花の健康パワー
免疫力を高め活性酸素を抑制
菜の花にはアブラナ科特有のグルコシノレートという成分が含まれ、切ったり刻んだりすることによって酵素反応がおこり香りや辛み成分のもとイソチオシアネートが作られます。
このイソチオシアネートには免疫力を高める効果があるとされ、発がん物質を抑制するためがん予防や感染症予防、活性酸素から細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があるとされています。
また、菜の花には優れた抗酸化作用のあるベータカロテンやビタミンC、ビタミンEなどを豊富に含んでいます。
これらは白血球の働きを良くして免疫力を高めたり、病気や老化の原因となる活性酸素を抑制して代謝機能を活発にし、血管の強化、生活習慣病予防、エイジング対策にも効果を期待できます。
美肌や目の健康をサポート
菜の花にはカロテノイドの一種ベータカロテンやビタミンCが豊富に含まれています。ベータカロテンは強力な抗酸化作用を持ち、体内で必要に応じてビタミンAに変換され、粘膜や皮膚、目の健康維持を助けます。
ビタミンAは皮膚の代謝を促進し、お肌の保水力を高めたり、吹き出物など肌トラブルを改善し、素肌を美しく保つ働きがあります。
また視力を正常に保ち夜盲症予防や、髪の成長、粘膜の健康を維持し喉や肺など呼吸器系にも効果を期待できます。
そしてビタミンCは美肌のために欠かせないコラーゲンの生成をサポートし肌に潤いとハリを与えたり、メラニン色素の発生を抑制してシミやシワの予防改善に役立ちます。
ベータカロテンもビタミンCも高い抗酸化作用を持っているのでシナジー効果によって細胞の酸化を防ぎ、美肌効果、老化予防をサポートしてくれます。
骨の成長やストレス緩和
菜の花には骨の成長や健康に欠かせないカルシウムをはじめビタミンKやカリウム、マグネシウム、リン、鉄など女性が不足しがちのミネラルも豊富で骨の形成を促進したり、骨粗鬆症の予防など骨の健康をサポートします。
また、カルシウムはイライラしたり情緒不安定な精神を緩和する働きもあります。
葉酸で貧血予防
菜の花は野菜の中でもカリウムや鉄などミネラルのほか葉酸も豊富に含んでいます。ビタミンB群のひとつである葉酸は細胞分裂や胎児の成長にも欠かせないので妊婦さんに推奨されている栄養素です。
また、葉酸は鉄の吸収を高めて赤血球の形成を促すため貧血対策にもなります。
食物繊維で免疫力アップ
菜の花には多くのビタミン、ミネラルがバランスよく含まれているほか、食物繊維も豊富です。 食物繊維は腸の善玉菌を増やし、不要な老廃物を体外へ排出しやすくして腸内環境を整え便秘予防になります。
そして全身の免疫細胞の約7割は腸に集まっているので「腸が免疫力を司っている」といわれるほど腸内環境は大切です。
腸の神経層は自律神経を通じて脳とつながっているので、腸が正しく働くためには自律神経がきちんと機能していることが重要です。
自律神経が正常に働けば免疫力が高まり、免疫力が上がれば病やストレスにも強い心身、老化予防にもつながり、また自律神経のバランスも乱れにくくなります。
保存や調理のポイント
菜の花は購入したら早めにいただいた方が良いですが、保存する場合は湿らせたキッチンペーパーや新聞紙でくるんでからポリ袋へ入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存し、3日以内にはいただいた方が良いでしょう。
ビタミンCやイソチオシアネートは熱に弱いので、手早くさっと茹でたり、炒めるのがポイントです。蒸し料理は栄養素の損失が少なくすみます。
一方ベータカロテンは熱に強い成分で、油と一緒に調理してとりいれると吸収率が高まります。
旬の野菜で免疫力アップ
菜の花はわずかな期間だけ春を感じられる旬の食材です。そんな菜の花を愛でながら日々の食生活にプラスして免疫力を高めていきたいですね。