あずきの抗酸化パワーは食品の中でトップレベル?驚きの栄養素とは

あずきはお赤飯や和菓子など昔から身近な食材として親しまれてきていますね。 そんな身近な存在のあずきですが、実はあずきの小さな赤い豆の中には健康とアンチエイジングに欠かせない驚くほどの栄養素が凝縮されているのです。  

あずきの美と健康パワー

抗酸化力は食品の中でトップ

老化や病気の原因物質といわれる活性酸素。 通常、活性酸素は有害物質やウィルスから私たちの体を守ってくれる働きがありますが、ストレスや紫外線、加齢、寝不足、不摂生な食生活などで活性酸素が過剰に発生してしまいます。

多く発生してしまった活性酸素は正常な細胞を傷つけ、皮脂を酸化させて過酸化脂質をつくり、肌の真皮層を破壊し肌老化や体の老化を加速させてしまうことに。

この活性酸素に対抗するための抗酸化力が私たちの体には備わっていますが、20歳をピークに働きが低下するため抗酸化成分を含む食品などを外部から積極的に摂取していくことが大切です。

その抗酸化成分の代表であるのがポリフェノール。 ポリフェノールは植物に存在する天然色素成分である抗酸化物質の総称であり、その種類は5000種類以上あるといわれています。

代表的なものはアントシアニン、エラグ酸、カテキン、レスベラトロール、ルチン、イソフラボン、クロロゲン酸、カカオポリフェノール、ショウガオールなど。 これらの抗酸化物質は、それぞれ強力な抗酸化作用を持っています。(1)

そしてポリフェノールは赤ワインに多く含まれていることで有名ですが、実はあずきに含まれるポリフェノールの量はなんと赤ワインの約1.5倍以上ともいわれています。

あずきのポリフェノールには特にアントシアニンが豊富で、アメリカ農務省が抗酸化力のある食品を調べたところ、最も強力な抗酸化作用がある食品は「あずき」だという研究結果が発表されています。(3,4,5)

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サポニン・カリウムで痩せやすい体に

あずきにはサポニンとカリウムが豊富に含まれています。 カリウムは私たちの体に必要不可欠なミネラルのひとつで、体内の水分量をバランス良く調整してくれる働きがあります。

余分な塩分や水分の排出を促し、むくみの改善や高血圧を予防。 サポニンもカリウムと同様に体内の余分な水分を排出する利尿作用と、強力な抗酸化作用があります。

血中の脂質の酸化を防ぎ、新陳代謝を高め血流を改善してくれるので、血栓を予防し悪玉コレステロールを低下させ動脈硬化などの生活習慣病予防、免疫力の向上、肌荒れ改善、肝機能向上などの作用があります。

脂肪の蓄積を抑え、脂肪燃焼効果のあるアディポネクチンの分泌を活発にする働きもあるので肥満対策、ダイエット効果も。

ラットを使った研究ではあずきの成分を補給することで脳のエネルギーバランスを調整する神経ペプチドを介して食欲を抑制し、体重が減少したということです。(2)

美肌と代謝向上のビタミンB群

あずきはビタミンB1、B2を豊富に含んでいます。 ビタミンB1は糖を効率良くエネルギーに変換してくれる作用があり、脳の機能を活性化したり、疲労回復には欠かせない成分です。

そして肝機能の代謝を促進して解毒作用もあるので体内の有害物質を排出しやすくしたり、アルコールの代謝を促し二日酔いの予防にも。

ビタミンB2は、皮膚の新陳代謝を高め細胞や粘膜の再生を促してくれる作用があるので、特に美肌効果が高いとされる成分です。

すこやかな髪の成長や丈夫な爪の再生を促し、肌荒れを改善し健康な肌細胞をつくります。

豊富な食物繊維で便秘改善

あずきには食物繊維が豊富に含まれています。 食物繊維は腸のぜん動運動を活発にして腸内にたまった老廃物を吸着し、硬くなった便をやわらかくして排出を促してくれる働きがあります。

全身の免疫細胞の約70%が腸でつくられているといわれているので、腸内環境を整える事はとても重要なこと。

腸内細菌のバランスを整え、腸の免疫機能を活性させることが美と健康のカギを握っているといっても過言ではないでしょう。

精神安定作用と更年期対策にも

あずぎには女性に嬉しいイソフラボンや鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルをバランス良く含んでいます。

イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと同じような作用があり、体内のカルシウムが溶け出すのを防ぎ、更年期症状の軽減や骨粗鬆症予防、代謝アップ、アンチエイジングにも欠かせない成分。

また、あずきの鉄分はほうれん草よりも多く含み、マグネシウムはカルシウムの吸収をサポートしてくれるので、脳の神経伝達を良くしてイライラや情緒不安定な精神面を緩和し、安眠効果にも期待できます。

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あずきパワーのおすすめ摂取方法

あずきパワーをとり入れるために、あんこやお赤飯などあずきのレシピは多種多様ありますが、今回は私が実践して効果を実感した方法をお伝えします。 あずき水やあずき茶などと呼ばれているあずきの煮汁を飲む方法です。

  1. あずきを流水で軽く洗う
  2. 鍋に水とあずきを4:1の割合でいれて火にかける
  3. 沸騰したら弱火で1時間くらいあずきがやわらかくなるまでコトコト煮詰める(水分の蒸発を防ぐために蓋はしたまま、煮汁が少なければ水を追加)

出来上がった煮汁にはポリフェノールやサポニンなどあずきの栄養成分がたっぷりとけこんでいます。

1日カップ2~3杯飲むと効果を期待できます。

注意点は利尿作用が強いので就寝3時間前は控えた方がいいのと、あずきの煮汁は傷みやすいので作り置きせず作ったらその日のうちにいただきましょう。

あずきパワーの効果

私は当初、友人から体のむくみ改善のために良いということ教えてもらったことから試してみることに。

実際に飲んでみるとむくみ改善効果があると同時に、イライラした精神症状が落ち着いたり、夜の寝つきが良くなったりと、メンタルにおいても思いがけない効果があることに気付き、あずきの成分について興味を惹かれる契機となったのです。

当時閉経後のホルモンバランスの変化で情緒不安定になっていた母にも勧めたところ、これを飲んだ日は不思議と気持ちが落ち着いて、夜もぐっすり眠れると話していました。

あずきは強力な抗酸化パワーをはじめ、ホルモンバランスを整え脳の神経伝達を良くしてメンタルバランスも調整する優秀な食材のひとつだと実感しました。

煮汁を飲んだ後の残ったあずきはお赤飯やあずきご飯として活用しています。ほかにもビタミン・ミネラルが豊富な野菜や海藻類、オメガ3脂肪酸が豊富な魚、良質なアミノ酸バランスがそろう卵なども組み合わせて食べれば効果がさらにアップ。無農薬のあずきを選ぶこともポイントです。

ただ、傷みやすいので作り置きができないことと、煮出すのに時間がかかるところが難点ですが、試してみてはいかがでしょうか。    

【参考文献】

(1) Luo J, Cai W, Wu T, Xu B. Phytochemical distribution in hull and cotyledon of adzuki bean (Vigna angularis L.) and mung bean (Vigna radiate L.), and their contribution to antioxidant, anti-inflammatory and anti-diabetic activities. Food Chem. 2016 Jun 15;201:350-60. doi: 10.1016/j.foodchem.2016.01.101. Epub 2016 Jan 25. PMID: 26868587.

(2) Kim M, Song SB, Cha YS. Effects of black adzuki bean (Vigna angularis, Geomguseul) extract on body composition and hypothalamic neuropeptide expression in rats fed a high-fat diet. Food Nutr Res. 2015 Oct 21;59:27719. doi: 10.3402/fnr.v59.27719. PMID: 26493717; PMCID: PMC4615815.

(3) Journal of Agnicultural and Food Chemistry;04 June

(4) Medically Reviewed by Brunilda Nazario, MDon June 17, 2004

(5) ANTIOXIDANT ACTIVITY OF EXTRACT OF ADZUKI BEAN AND ITS FRACTIONS|Journal of food lipids

 

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病。 食生活やライフスタイルを見直したことで心身の良い変化を実感し、これまでの経験から難病の進行抑制、心と体の健康、エイジング対策探求に情熱を注いでいます。
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