鮭はスーパーフード!アスタキサンチンとDHAで最強シナジー効果

鮭が赤いのはアスタキサンチンという天然の色素成分によるものです。鮭はもともと白身の魚ですが、アスタキサンチンを含む藻類を食べることで、自身の体にアスタキサンチンを蓄えて赤くなります。

カツオやマグロと違って鮭が加熱してもあまり変色しないのはアスタキサンチンの優れた抗酸化パワーによるものなのです。

スーパーフードとも呼ばれている鮭にはアスタキサンチンの他にも美容や健康にうれしい栄養成分が豊富に含まれています。そんな鮭の魅力についてお話します。  

スーパーフード鮭の注目成分

アスタキサンチン

アスタキサンチンは鮭の赤い色素成分です。これは自然界の動植物に存在する天然の色素成分で、カロテノイドの一種です。

もともとは海水中のヘマトコッカスという藻類にアスタキサンチンは多く含まれていて、紫外線などの害から身を守るために植物自身がつくり出す天然の抗酸化成分なのです。

ヘマトコッカス藻はオキアミなどのプランクトンが食べ、食物連鎖でこれらを餌とする鮭やエビ、フラミンゴ、クジラなどの体にアスタキサンチンが蓄えられていきます。

アスタキサンチンは非常に高い抗酸化作用があることで注目が集まり、その抗酸化作用はベータカロテンの約10倍、ビタミンEの1000倍とも言われています。

さらに、皮膚が紫外線や放射線にあたることで発生する活性酸素の一種「一重項酸素」をアスタキサンチンによって抑制できるとの研究報告もあります。

血管や脳、細胞の酸化を抑制し、美白・美肌効果のほか免疫機能の改善や抗がん作用まであり、自然界最強の抗酸化成分とも言われています。

オメガ3脂肪酸DHA・EPA

鮭に含まれるDHA・EPAは私たちの体内でつくり出すことができないオメガ3必須脂肪酸です。 食材などから摂取する油(脂質)は体にとって良い油や悪い油がありますが、どちらも体の細胞の細胞膜を構成する原料となります。

加工食品や酸化した悪い油は細胞膜を硬くしてしまうのに対して、美容や健康にとって良い油と言われているオメガ3脂肪酸は細胞膜を柔らかく保つ働きがあります。

細胞膜を柔軟に保つことで、細胞の内外への必要な栄養や情報伝達などがスムーズに行われやすくなるのです。特に脳の細胞や目の網膜にDHAは多く存在していますので学習機能や認知機能の改善、目の健康維持にも欠かせない成分です。

必須脂肪酸の中でもオメガ3脂肪酸は現代の食生活では不足しているといわれているので積極的に摂取していきたい栄養素のひとつです。

DMAE(ジメチルアミノエタノール)

 DMAE(ジメチルアミノエタノール)は全米ナンバーワンの皮膚科医と称されたニコラスペリコーン博士の実験によって肌のシワやハリ、アンチエイジングに有効であると立証された強力な抗酸化成分です。

 DMAEは化粧品業界では美肌成分として知られていますが、食品では特にDMAE含有量が多いのは鮭だと言われているのです。

 DMAEは神経伝達物資アセチルコリンを刺激し、肌などの筋肉の収縮力を高めてシワやたるみの改善につながると共に、脳の神経伝達を良くして記憶力や脳の神経疾患のサポートにも役立つとされています。

コラーゲンやヒアルロン酸

お肌のハリや潤いの基盤となるコラーゲンや水分を保持するヒアルロン酸などは真皮の線維芽細胞で生産されています。

線維芽細胞の働きは加齢や紫外線、糖質の過剰摂取などで低下してしまいます。鮭にはお肌に嬉しいビタミンやコラーゲン、ヒアルロン酸が含まれています。

ビタミン類は肌荒れや細胞の再生に必要なビタミンA、B群などバランス良く含まれ、ビタミンDにおいてはサバやイワシの3倍以上含まれています。

ビタミンDはカルシウムの吸収を良くしたり、脳の記憶力向上や認知症予防、免疫力にも関わっています。 そして、鮭に含まれている海洋性コラーゲン(マリンコラーゲン)は動物性コラーゲンよりも体内に吸収されやすい性質を持っています。

さらに鮭には肌の保水力を高めるヒアルロン酸や、ハリ、弾力をアップさせるコンドロイチンも含まれています。これらは特に鮭の皮や頭の部分に多く含まれています。

鮭の健康効果

脳の細胞を活性化

脳が体に占める体積はわずか2%ですが、食事から得られるエネルギーの20%、酸素の20%を消費しています。

脳は全身の中でも常に大量のエネルギーと酸素を必要とし、消費しているのです。多くの酸素を取り込んでいる脳内では、その分大量の活性酸素が発生していることが考えられます。

脳には「血液脳関門」という有害物質などの侵入を防ぐためのバリア関門があるのですが、アスタキサンチンとDHAはこのバリアを突破し、脳内へ入ることができる数少ない物質なのです。

酸化しやすいDHAはアスタキサンチンの強力な抗酸化作用により守られているので、DHAとアスタキサンチンの相乗効果を得られやすくなります。

アスタキサンチンのたぐいまれな抗酸化作用により脳内の活性酸素を抑制し、DHAが脳の神経細胞を活性化して脳梗塞をはじめ様々な脳疾患の予防に効果を期待できます。

さらに、アスタキサンチンを長期間摂取することにより、脳の海馬の神経新生が高められ、学習や記憶能力が向上するという研究結果も発表されています。

アスタキサンチンとDHAは脳の神経の炎症や死滅を防ぐ神経保護効果があるともいわれ、アルツハイマー病や精神疾患などの予防・改善にも期待が高まっています。

また神経変性疾患パーキンソン病の脳の神経細胞を保護する可能性が示された研究報告もあります。(1)

目の健康維持

脳と目はもともと同じ細胞からつくられているので、脳にとって必要不可欠なDHAは目にとっても欠かせない存在です。

目の網膜には脳の2倍以上ものDHAが存在し、目の網膜機能にも大きな影響を及ぼすと考えられています。

脳の血液脳関門と同じように目の網膜にも「血液網膜関門」というバリアがあり、ここを通過して網膜に入ることができるアスタキサンチンとDHAは、網膜内でその優れた抗酸化作用を発揮することができるのです。

アスタキサンチンの強力な抗酸化作用で、目の疾患や不調の原因となる活性酸素を抑制し、DHAとの相乗効果で血液の流れを良くして目の組織の新陳代謝も活発になります。

鮭を食べて体内に吸収されたアスタキサンチンの一部はビタミンAに変換されるので、こちらも目の健康を保つ働きがあります。

こうしたアスタキサンチンやDHAの働きにより視力の改善や、眼精疲労、白内障、加齢黄斑変性症など目の疾患の予防や改善に期待できるでしょう。

アレルギー炎症の緩和

アレルギー性疾患や花粉症、喘息、アトピー、リウマチといった疾患は過剰な免疫システムのトラブルによって発生します。

アスタキサンチンとDHE・EPAといったオメガ3脂肪酸には抗炎症作用があり、日々の食生活に積極的に摂り入れ継続していくことで体質の改善に期待ができるでしょう。

血管を若く保つ

アスタキサンチンの強力な抗酸化作用で酸化しやすいDHE・EPAをサポートし、相乗効果で血管を若く保つ効果があるといわれています。

「老化や病気の予防は血管を若く保つこと」といわれるように、全身を巡る血管は体の中でも重要な働きを持っています。

アスタキサンチンとDHE・EPAの相乗効果により赤血球をやわらかくして血管の細胞膜を柔軟にします。そして血小板の凝集を抑え血液をサラサラにし、血栓や動脈硬化を予防・改善してくれます。

また、血液中のコレステロールの酸化を防ぎ、高血圧や中性脂肪を改善し、がん、心臓病、糖尿病、肥満症といった生活習慣病など様々な疾患の予防にも役立ちます。

鮭と食生活

アスタキサンチンは水に溶けにくく熱に強い性質ですが加熱調理の際に酸化しやすいDHAは減少しやすい傾向があります。

鮭の栄養素をまるごといただくなら生のお刺身やスモークサーモンが良いでしょう。 焼き鮭の場合は、特に皮の部分にコラーゲンや栄養が豊富に含まれているので皮も一緒に食べて栄養素を余すことなくとりいれたいですね。

アスタキサンチンが特に豊富に含まれているのは紅鮭です。そして鮭カマやハラスには鮭の栄養素が豊富に含まれています。

鮭の卵であるイクラやスジコにもアスタキサンチンは含まれています。 鮭は購入したら新鮮なうちにいただくのが理想です。

長期保存をするとアスタキサンチンの抗酸化力が失われやすくなってしまうからです。 一方、冷凍保存をする場合は、食べる時にレモンなど水溶性の抗酸化成分であるビタミンCを一緒にとり入れることでアスタキサンチンの抗酸化力が復活しやすくなります。

ビタミンCは酸化還元力に優れているので、アスタキサンチンを含まないサバやサンマなど鮭以外の魚を食べる時にも一緒にとりいれればDHAが守られ栄養素の吸収をサポートしてくれます。

健康管理とエイジングケアのために、日々の食生活に積極的に鮭をとりいれてみてはいかがでしょうか。

 

【参考文献】

(1) Shen DF, Qi HP, Ma C, Chang MX, Zhang WN, Song RR. Astaxanthin suppresses endoplasmic reticulum stress and protects against neuron damage in Parkinson’s disease by regulating miR-7/SNCA axis [published online ahead of print, 2020 Apr 22]. Neurosci Res. 2020;S0168-0102(20)30018-3. doi:10.1016/j.neures.2020.04.003

 

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病を患っています。 これまでの経験から栄養学、免疫学などを学び、難病の進行抑制、エイジング対策に情熱を注いでいます。
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