アレルギーや病気の原因となる炎症を引き起こす「炎症食」とは

炎症は怪我をしたり病気になったりした時に自分の体を守る生体の防衛反応です。

一方で日々のストレスや活性酸素、炎症の原因となる食品を多く摂取していると、無自覚のうちに体内では慢性的な炎症が続き、肥満、糖尿病、心疾患、生活習慣病、アレルギー、免疫機能の低下、老化促進などさまざまな病気のリスクを高める可能性があります。

では炎症を引き起こす可能性のある代表的な食品をまとめてみました。

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は牛肉や乳製品に含まれている天然由来のトランス脂肪酸と、人工的につくられるトランス脂肪酸に大きく分けられます。

人工トランス脂肪酸は液体の油に水素を添加して安定した硬さの固形油が作成されたり、油を高温で加熱する過程で生成されたりします。

人工的につくられたトランス脂肪酸はマーガリンやショートニング、パン・お菓子などの加工食品、高熱を加えられた油(フライドポテト)などに含まれ、最も不健康で摂らないほうがいい油だといわれています。

自然界に存在しない不自然な構造のトランス脂肪酸は細胞膜にとりこまれるとウィルスや細菌などが入りやすくなり、心疾患や動脈硬化、善玉コレステロールの低下、認知症、アレルギーなど体内でのさまざまな炎症を引き起こし、老化、疾患のリスクを高めてしまう原因となります。(1,2)

オメガ6脂肪酸

オメガ6脂肪酸は必須脂肪酸ですが、一般のサラダ油や大豆油、紅花油、コーン油などに多く含まれるほか、身近な調味料、加工食品などに多用され、現代人は過剰摂取気味だといわれています。

オメガ6脂肪酸を摂りすぎるとオメガ3脂肪酸の吸収が阻害され、細胞膜が固くなり、代謝機能の低下、アレルギー、アトピーなどさまざまな炎症を促進する可能性が高くなってしまいます。(3)

積極的に摂りたいオイルの代表格「オメガ3脂肪酸」の健康効果

加工肉

ベーコンやハム、ソーセージ、ビーフジャーキー、燻製肉などの加工肉にはAGEs(終末糖化産物)が多く含まれています。

 AGEsは劣化変性したたんぱく質で炎症を引き起こし、酸化とならび、老化や病気の大きな原因だといわれています。(5)

炎症性化合物を多く含む加工肉をよく食べていると心臓病や糖尿病、結腸がん、胃がん、血管の老化などのリスクが高まりやすくなるので注意が必要です。(4)

 AGEsは焼く、炒める、揚げるなどの高温調理法によっても形成されやすく、炎症を引き起こしてしまいます。

加熱の際は「茹でる」「煮る」「蒸す」といった調理法にすることで揚げ物などの高温調理法にくらべるとAGEsの発生が抑えられやすくなります。

精製された白い炭水化物

糖は細胞のエネルギー源なので体にとって炭水化物は必要ですが、白砂糖や白いご飯、うどん、白いパンなどの精製された炭水化物には炎症を引き起こす可能性があります。

精製された炭水化物にはほとんどのビタミン、ミネラル、食物繊維などがそぎ落とされてしまっています。

そのため精製された炭水化物はすばやく体内に吸収され急激に血糖値を上げ、炎症性腸内細菌の増殖(6)、肥満、糖尿病、AGEsの増加などを引き起こす原因になりやすくなります。

急激な血糖値の乱高下は炎症を起こす原因となり、血流が悪くなったり、イライラするなど精神状態にも影響を与えます。

欧米人にくらべ日本人には血糖値を下げるインスリンの分泌能力が少なく、糖尿病患者が多いともいわれています。

精製度の低い玄米やそば、ライ麦パンなどには食物繊維が含まれ、食後の満腹感を与え血糖値の急上昇をゆるやかにしたり、腸内の善玉菌を増やし、炎症の抑制に役立ちます。

甘い飲み物やデザート

一般的な白砂糖はブドウ糖と果糖が結合したショ糖という二糖類に分類されます。多糖類になるほど体内での分解に時間がかかりますが、二糖類の砂糖は速やかに単糖に分解されるため血糖値が急上昇して炎症が起きやすくなります。

砂糖は甘い飲み物やソーダ、デザート、アイスクリーム、お菓子、さまざまな加工食品に多く使用されています。

マウスによる研究では砂糖(ショ糖)が豊富な餌を与えられたマウスは、たんぱく質食の餌を与えられたマウスとくらべて肥満の発症を増加させました。

さらにオメガ3脂肪酸の抗炎症効果も打ち消してしまう可能性があるということです。(7)

砂糖(ショ糖)の摂取量が多いと炎症レベルが増加し、血管内皮細胞の炎症が生じて血流が悪くなったり、腸では悪玉菌の餌となり、肥満、糖尿病、心疾患、腎臓病、がん、動脈硬化、精神疾患、老化促進などの危険因子となることが指摘されています。

お酒の飲み過ぎ

過剰なアルコールの摂取は全身の炎症レベルを増加させ、食道がん、肝臓がん、乳がん、大腸がん、膵炎、脳卒中などのリスクが高まるといわれています。

また、肝臓は大量のアルコールを分解するのを優先的におこなうため、その間脂肪の分解は後回しになってしまうので肥満の要因にもなってしまいます。

一方、適度な飲酒は血糖値の上昇を抑え、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞、前立腺がん、血液系のがんなどのリスクを下げる可能性もあるといわれています。

では百薬の長といわれるお酒の適量とはどのくらいなのでしょうか?

アルコール分解酵素の差異や体格など個人差がありますが、おおよその目安として、1日の適度な飲酒量は女性では10g~20g、男性では20g~30gです。

20gは缶ビールだと500mg、ワインはグラス2杯、日本酒は1合です。これ以上飲む場合は週に2日以上休肝日をつくることがアルコールに関わる健康問題を回避するために必要です。

抗炎症ライフスタイル

炎症の原因となる炭水化物や糖質の摂りすぎに気をつけて、抗炎症食品をとりいれながら適度な運動、十分な睡眠を確保し、炎症を抑えていきましょう。

炎症を抑える抗炎症食は免疫力アップ+アンチエイジング食

【参考文献】

(1) Han SN, Leka LS, Lichtenstein AH, Ausman LM, Schaefer EJ, Meydani SN. Effect of hydrogenated and saturated, relative to polyunsaturated, fat on immune and inflammatory responses of adults with moderate hypercholesterolemia. J Lipid Res. 2002 Mar;43(3):445-52. PMID: 11893781.

(2) Nestel P. Trans fatty acids: are its cardiovascular risks fully appreciated? Clin Ther. 2014 Mar 1;36(3):315-21. doi: 10.1016/j.clinthera.2014.01.020. PMID: 24636816.

(3) Yang LG, Song ZX, Yin H, Wang YY, Shu GF, Lu HX, Wang SK, Sun GJ. Low n-6/n-3 PUFA Ratio Improves Lipid Metabolism, Inflammation, Oxidative Stress and Endothelial Function in Rats Using Plant Oils as n-3 Fatty Acid Source. Lipids. 2016 Jan;51(1):49-59. doi: 10.1007/s11745-015-4091-z. Epub 2015 Nov 2. PMID: 26526061.

(4) Larsson SC, Bergkvist L, Wolk A. Processed meat consumption, dietary nitrosamines and stomach cancer risk in a cohort of Swedish women. Int J Cancer. 2006 Aug 15;119(4):915-9. doi: 10.1002/ijc.21925. PMID: 16550597.

(5) Basta G, Schmidt AM, De Caterina R. Advanced glycation end products and vascular inflammation: implications for accelerated atherosclerosis in diabetes. Cardiovasc Res. 2004 Sep 1;63(4):582-92. doi: 10.1016/j.cardiores.2004.05.001. PMID: 15306213.

(6) Spreadbury I. Comparison with ancestral diets suggests dense acellular carbohydrates promote an inflammatory microbiota, and may be the primary dietary cause of leptin resistance and obesity. Diabetes Metab Syndr Obes. 2012;5:175-89. doi: 10.2147/DMSO.S33473. Epub 2012 Jul 6. PMID: 22826636; PMCID: PMC3402009.

(7) Ma T, Liaset B, Hao Q, Petersen RK, Fjære E, Ngo HT, Lillefosse HH, Ringholm S, Sonne SB, Treebak JT, Pilegaard H, Frøyland L, Kristiansen K, Madsen L. Sucrose counteracts the anti-inflammatory effect of fish oil in adipose tissue and increases obesity development in mice. PLoS One. 2011;6(6):e21647. doi: 10.1371/journal.pone.0021647. Epub 2011 Jun 28. PMID: 21738749; PMCID: PMC3125273.

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病を患っています。 これまでの経験から栄養学、免疫学などを学び、難病の進行抑制、エイジング対策に情熱を注いでいます。
投稿を作成しました 144

関連投稿

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る