細胞の新陳代謝を促進して若さを保ちダイエット免疫力アップも

肌がターンオーバー(生まれ変わり)によって、肌のうるおいや美しさ、若さを保つことができるように、体の細胞もスムーズに細胞の生まれ変わりが行われることで、病気の予防や免疫力アップ、アンチエイジングにつながります。

細胞の新陳代謝

私たちの全身の細胞は諸説ありますが、およそ37兆個もの細胞で構成されています。脳や心臓の一部の細胞を除くほとんどの細胞は日々修正、更新が行われています。

体のあらゆる機能を支えるために、生まれたときから毎日細胞分裂によって古い細胞から新しい細胞へと入れ替わる新陳代謝がいとなまれています。

それぞれの細胞の新陳代謝は部位によって入れ替わりのサイクルが異なります。

  • 胃腸の細胞は約5日
  • 心臓は約22日
  • 皮膚は約28日
  • 筋肉と肝臓は約60日
  • 骨は約90日
  • 血液は約120日

細胞の入れ替わるスピードは個人差があり、新陳代謝のサイクルがきちんと行われて、細胞の再生ができていれば見ため年齢の若さにもつながります。

反対に新陳代謝が遅くなり、細胞の再生がうまくいかなくなると、体内の機能が弱くなり、免疫機能やホルモン分泌が低下したり、たんぱく質の合成力が低下して肌のシワやたるみ、髪のツヤが減少するなど体のあちこちで障害が発生し病気や老化の原因となってしまうことに。

細胞が正常なサイクルで入れ替わるために重要なのは細胞の設計図であるDNAを正確にコピーすることです。DNAは本来傷ついても修復力やアポトーシス力があるのですが、長い間不健康な生活習慣などを送っているとDNAの損傷が起きてしまいます。

 DNAが損傷すると、細胞の再生が正確にできなくなり、新陳代謝のスピードが遅くなる原因となってしまいます。その主な原因は加齢や慢性的なストレス過多、偏った食事、農薬、食品添加物、大気汚染、放射線、喫煙、過度な飲酒、睡眠不足などの多い生活習慣です。そしてこれらにともない過剰に発生してしまう活性酸素が健康な細胞を傷つけ、細胞を酸化させてしまいます。

新陳代謝を高める習慣

抗酸化食材の積極的な摂取

私たちの体内には活性酸素による細胞の酸化ダメージから細胞を保護する抗酸化力が備わっていますが、加齢とともに低下してしまいます。そのため抗酸化作用のある食品を積極的にとりいれていくことが健康な細胞の再生のために重要です。(1)

抗酸化作用の高い主な食品はビタミンCを豊富に含むキウイや柑橘類、パプリカなどのほか「フィトケミカル」を含む食材です。フィトケミカルは植物の色素や香り、苦み、辛味などに含まれる有効成分で(ポリフェノールなど)、血流を改善したり、免疫力の向上にも役立ちます。

抗酸化食材と細胞の新陳代謝を促進するビタミンB群もあわせてとりいれると相乗効果が高まり、よりパワーを発揮します。

フィトケミカルを含む主な成分と食材

  • アスタキサンチン・・・鮭やエビなどに含まれる赤い色素成分でβ-カロテンの数千倍もの抗酸化力
  • アントシアニン・・・ベリー類、小豆、なす、紫いもなどに含まれ肝機能改善作用もある
  • クルクミン・・・ターメリック(ウコン)に含まれ、強い抗酸化作用、免疫力強化
  • カテキン・・・緑茶やココアに含まれ、殺菌力や強い抗酸化力、免疫力を高める
  • β-カロテン・・・パプリカ、人参、かぼちゃなどに含まれ、皮膚や粘膜の健康を維持し、強い抗酸化力
  • リコピン・・・トマトやスイカに含まれ、強力な抗酸化作用で血流改善作用にも優れている
  • ルテイン・・・緑黄色野菜、卵黄などに含まれ高い抗酸化作用があり、目の健康にも良い
  • リグナン・・・ごま、大豆、大麦などに含まれ強い抗酸化作用
  • ケルセチン・・・玉ネギやブロッコリーに含まれ新陳代謝を促進し、免疫力を高める
  • イソチオシアネート・・・大根やネギを刻んで生成される辛味成分で抗酸化力や免疫力強化、抗がん作用
  • β-グルカン・・・きのこ類に含まれ、血流改善、免疫力強化

ストレスの軽減

ストレスは不安や緊張といった精神的なものだけでなく、寒さ、暑さ、過労、喫煙、睡眠不足なども体にとってはストレスです。

精神的(不安、緊張など)、身体的(長時間労働や睡眠不足など)、環境的(食品添加物や農薬など)ストレスが大きなものであったり、慢性的にあると交感神経が働き過ぎて血流が悪くなり新陳代謝が低下します。そうなると体温も下がり、免疫力も低下してしまうことに。

ストレスは生きていくうえで誰しもかかえているものですが、こまめに解消したり軽減していくことが重要です。ストレスの要因はさまざまありますが、適度な運動や十分な休息、好きなことをしたり、がんばり過ぎない生き方でストレスを減らしていくと血液循環が良くなり、新陳代謝が促進し、免疫細胞の活性化にもつながります。

ストレスやイライラ不安症状の軽減に役立つ栄養素

良質で十分な睡眠

細胞は働くことと、新陳代謝(生まれ変わり)を同時に行うことはできません。しっかりと熟睡している良質な睡眠中に新陳代謝を活発にする成長ホルモンが分泌されます。

成長ホルモンは脳下垂体から分泌されるホルモンで、若返りホルモンともよばれています。成長ホルモンは細胞分裂を促進し、骨や筋肉を成長させたり、疲れた内臓やお酒を飲んで代謝につかわれた肝細胞を再生したり、肌も新陳代謝が活発になり新しい細胞に生まれ変わらせます。

睡眠時間は個人差がありますが、約7~9時間程度が理想で、自律神経のバランスが整い免疫力も高まりやすくなります。

若返りホルモン「成長ホルモン」の分泌を増やすために

良質な睡眠のポイント

  • 体にあった高さの枕を選んだり、照明を暗くするなど、寝具・寝室環境の工夫
  • 入浴して体温を上げると、そのあと体温が下がり体が睡眠モードに切り替わりやすくなる
  • 内臓が消化活動をしていると熟睡の妨げになるため寝る3時間前には食事を済ませる
  • 寝る4時間前頃からコーヒーなどのカフェインの摂取を控える
  • 自律神経が興奮するため寝る前のパソコンやテレビは控える
  • 朝は日光をしっかり浴びることで良質な睡眠を促すメラトニンというホルモンが夜に分泌されやすくなる

ほかにもカモミールやパッションフラワーなど睡眠を誘うハーブティーを活用するという方法もあります。イライラや不安、抑うつ気分をしずめて、植物のもつ自然のパワーが良質な睡眠へとサポートしてくれます。

良質な睡眠で成長ホルモンの分泌を高め、抗酸化食材をバランス良くとりいれながらストレスをこまめに減らして新陳代謝を活性化させていきましょう。

新陳代謝を促進することによって、血液がさらさらになり、免疫細胞も活性化し免疫力アップにつながります。

眠れない夜や睡眠の質を高めるために役立つハーブティー

新陳代謝は自分で高められる

私はこれまで比較的やせ型体質で体系の大きな変化というものを経験したことがなかったのですが、30代後半頃からストレスや生活環境の変化などに加え年齢による代謝の低下によって体重があっという間に10キロ増えてしまいました。

これはさすがに何とかしなければとサプリメントや運動など色々と試したのですが効果を感じられず持続できなかったり、加齢による代謝低下のせいとあきらめていたところ、食生活を変えたことで体の変化を感じるようになりました。

食事の量は特別減らしたりしていないのにフィトケミカル食材を含む特に野菜をたくさん食べるようになってから体重が徐々に減っていき、半年を過ぎた頃には以前と同じ位の体重にまで戻っていたのです。

他にも加齢の影響とあきらめていた髪の毛のツヤがアップしたり、肌荒れが改善したり、風邪もひかなくなってきたので、食生活の変化で新陳代謝を高めることができるのだなあと実感しました。

もちろんストレスの軽減や良質な睡眠を心がけながら、これからも「加齢のせい」とあきらめずに外食や食品添加物、農薬など体に負担となる食事を控えて、体が喜ぶ食生活を継続して新陳代謝を高めて免疫力も高めていきたいですね。

【参考文献】

(1) Lobo V, Patil A, Phatak A, Chandra N. Free radicals, antioxidants and functional foods: Impact on human health. Pharmacogn Rev. 2010;4(8):118-126. doi:10.4103/0973-7847.70902

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病。 食生活やライフスタイルを見直したことで心身の良い変化を実感し、これまでの経験から難病の進行抑制、心と体の健康、エイジング対策探求に情熱を注いでいます。
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