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日々の食事が免疫機能を低下させてしまうかもしれない6つの食品

免疫機能を高めるといわれる食品をはじめ、健康やアンチエイジングに良いとされるさまざまな食品に気を使っていると思っていても、普段何気なく食べている食事の中には身体に必要な栄養素の吸収を阻害したり、栄養バランスを崩して、免疫機能を低下させてしまう可能性のある食品があふれています。そんな免疫力を上げるために手放した方が良い主な食品についてご紹介します。

1.オメガ6脂肪酸

体内で合成することができない必須脂肪酸はオメガ6脂肪酸(リノール酸)とオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸、DHA、EPA)があり、どちらも体の健康機能を維持するために不可欠な脂肪酸ですがバランスが重要です。

オメガ6脂肪酸は必須脂肪酸のひとつですが、キャノーラ油、大豆油、紅花油、コーン油などあらゆる油に使われていることが多いため、現代人は過剰摂取気味だといわれています。

摂り過ぎると細胞膜が硬くなり、細胞内外の情報伝達がスムーズに行われず、免疫反応を弱める可能性があります。そして多くのアレルギー疾患(花粉症、鼻炎、アトピー、食物アレルギーなど)、喘息、関節リウマチ、糖尿病などさまざまな症状に対して影響を及ぼすことが指摘されています。(1)

一方、オメガ3脂肪酸を多く含む食品は強力な抗炎症作用があり、細胞膜を柔軟にして細胞内に必要な栄養素をとりいれたり、老廃物の排出もスムーズに行われるようになります。そして免疫系の細胞の反応を調節して免疫機能を高めたり、酸化ストレスの軽減、脳機能の健康、アレルギーや慢性炎症の抑制、すこやかな髪の成長、美肌効果にも期待できます。

また、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の代謝には同じ酵素が使われるため、体内で競合してしまう可能性があります。そのためオメガ6脂肪酸の摂取が多くなるとせっかく摂ったオメガ3脂肪酸の代謝が妨げられてしまいます。

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の健康的な摂取バランスは1:1から4:1と考えられています。しかし、現代の西洋化された食事スタイルでは個人差がありますが、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取率は10:1ともいわれています。

オメガ3脂肪酸を多く含む食品は鮭やイワシ、マグロ、ブリ、サバ、カツオ、クルミなどに含まれています。オメガ3脂肪酸が豊富な食事を多く摂りいれて、オメガ6脂肪酸を含む食品を減らしてバランスをとることが適切な免疫機能の促進につながります。(2)

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2.砂糖の摂り過ぎ

ケーキやチョコレート、お菓子などスイーツ好きな方は多いのではないでしょうか。生きていくには糖分が必要ですが、糖分は野菜や果物、お米、清涼飲料水などあらゆる食品に含まれていますし、現代人は過剰摂取気味だといわれています。

甘いもの=砂糖を摂り過ぎると免疫力が低下してしまいます。体内に入ってきたウィルスや細菌と戦う免疫機能の要となる白血球の能力を弱めてしまうからです。

ビタミンCが一般的な風邪と戦うのを助けることを発見したポーリング博士の研究では”あらゆる種類の砂糖を食べても、摂取後4~6時間は体の免疫力が75%以上低下する可能性がある”ということです。

白血球が体内に入ってきたウィルスや細菌と戦うためには白血球中に十分なビタミンCが含まれている必要があります。ビタミンCは常に細胞膜を通って全身の白血球に移動しています。

ブドウ糖(体内で最終的に分解される単糖類)とビタミンCは非常によく似た化学構造を持っていて、白血球のビタミンCが足りないと誤ってブドウ糖が代用されてしまうといいます。

また血中のブドウ糖濃度が高くなると白血球がビタミンCの変わりに大量のブドウ糖をとりこんでしまい白血球中のビタミンC濃度が低下し、その結果免疫機能の働きが弱くなってしまうということです。

白血球の中に最適なビタミンCが戻るのは、砂糖摂取後4~6時間かかります。ビタミンCはパプリカやグレープフルーツ、いちごキウイフルーツ、緑色の濃い葉野菜などに多く含まれています。オレンジには糖分が多く含まれているので摂り過ぎないようにした方が良いです。

また過剰な糖分の摂取は血糖値が急上昇し免疫機能を低下させるだけでなく、細胞レベルで炎症がすすみ、アレルギー症状の悪化、AGEs(終末糖化産物)の生成、脳の神経細胞へも悪影響を及ぼします。

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3.お酒の飲み過ぎ

「酒は百薬の長」といわれていますが、これは適量を飲んだときの話です。一般的に適量といわれるお酒の量は、ビールでは中瓶1本、日本酒で1合、ワインはグラス2杯程度です。

お酒が大好きで毎晩大量に飲酒を続けているという方もいるのではないでしょうか。食事内容に気を使ったり、サプリメントなどで栄養素を摂取している場合でも、過度な飲酒は栄養素の吸収を阻害してしまいます。

その結果ビタミンやミネラルが不足して免疫機能が低下し、口や食道、胃腸の粘膜が傷つき、風邪やインフルエンザなどのウィルスが侵入しやすくなります。

またお酒を飲むと肝臓で処理するときに大量の活性酸素を発生させてしまうので、肌荒れ、髪のパサつき、コラーゲンの減少、動脈硬化などさまざまな老化の促進や病気のリスクが高まりやすくなってしまいます。

一方で適度な赤ワインの摂取は心血管代謝のリスクを減少し、糖質の少ない赤ワインは健康を促進する可能性があるといわれています。

224人の2型糖尿病患者を対象として行われた2年間の研究では、患者に地中海式食事療法で赤ワイン、白ワイン、水を夕食に飲むよう割り当てたところ、赤ワインを飲んだグループでは血糖値と総コレステロール値の両方の数値が低下したということです。そして、HDLコレステロール(善玉)が増加し、睡眠の質も改善されました。(3)

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4.炭水化物の摂り過ぎ

白米やパン、うどん、パスタ、ピザなどの炭水化物は3大栄養素のひとつですが、必須栄養素ではありません。これらの炭水化物は体内で分解されると最終的に多くの糖となります。

多くの糖によって血糖値が急上昇すると、すい臓からインスリンが大量に分泌され、ブドウ糖は肝臓や筋肉へ蓄えられますが少量なので、あまりは脂肪として蓄えられます。

そのため過剰な糖質を摂取すると血糖値を下げようとインスリンの分泌量が増え、ブドウ糖をどんどん脂肪細胞に蓄えたり、すい臓への負担がかかってしまいます。

さらに血糖値の急上昇はフリーラジカルや炎症性たんぱく質の産生を増加させ、アレルギー症状の悪化、AGEs(終末糖化産物)の生成、腸内細菌を悪化させる可能性があります。免疫細胞の約7割は腸に集中しているため、腸内環境の乱れは免疫機能を低下させてしまいます。(2)

日中の活動量が多い場合や筋力トレーニングをしている方などは、多めの炭水化物を摂取したとしてもエネルギーとして消費することができます。

日中のエネルギー消費が特別多くないという場合は、炭水化物の摂取量を減らしたり、食後に少し運動をしたり、体を動かすと血糖値の上昇をゆるやかにすることができます。

精製された白米や白いパン、うどんなどにくらべて、精製度の低い玄米や全粒粉のパン、ライ麦パン、そばなどは食物繊維が多く、血糖値の上昇をゆるかにしてくれます。

一方、これらは種類が変わったとしても体内で最終的にはブドウ糖に分解されるので、種類に関係なく自分のにぎりこぶし1個分を目安に摂取すると良いといいます。

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5.揚げ物を控える

一般的な植物油を高温(180度以上)で調理する揚げ物などは、特定のがんに関与するといわれるアルデヒドが生成されたり、老化を早め体の構造と機能を損傷するAGEs(終末糖化産物)を増やしてしまいます。

 AGEsは、揚げ物などの高温調理中に糖がたんぱく質や脂肪と結びつき形成されます。体内のAGEsレベルが高くなると、体の抗酸化力が衰えたり、体内炎症の促進、細胞機能の障害、腸内細菌への悪影響などにより免疫系を弱めると考えられています。

「焼く、炒める、揚げる」といった高温調理法より「茹でる、煮る、蒸す」といった高温を避ける調理法に工夫することがポイントです。

6.化学添加物の多い加工肉

ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉には増量剤、防腐剤、結着剤、香料、着色料といった化学添加物が大量に使われています。

色を鮮やかにみせるために亜硝酸塩や亜硝酸ナトリウムといわれる化学物質は、発色剤としてつかわれています。これらを食べると胃の中で反応がおき、発がん物質がつくられてしまうことが明らかになっています。(6)

そして加工肉には動物性の脂肪に含まれる飽和脂肪酸が沢山含まれています。研究では、不飽和脂肪酸(オリーブ油、DHAなど)が少なく、飽和脂肪酸を多く含む食事は体内の炎症反応を引き起こし、腸内環境が悪化したり、免疫機能を損なう可能性があるといわれています。(45)

成分表示を確認し、化学添加物を含まない品質の良い製品を選びましょう。

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【参考文献】

(1) Radzikowska U, Rinaldi AO, Çelebi Sözener Z, et al. The Influence of Dietary Fatty Acids on Immune Responses. Nutrients. 2019;11(12):2990. Published 2019 Dec 6. doi:10.3390/nu11122990

(2) Iddir M, Brito A, Dingeo G, et al. Strengthening the Immune System and Reducing Inflammation and Oxidative Stress through Diet and Nutrition: Considerations during the COVID-19 Crisis. Nutrients. 2020;12(6):1562. Published 2020 May 27. doi:10.3390/nu12061562

(3) Effects of Initiating Moderate Alcohol Intake on Cardiometabolic Risk in Adults With Type 2 Diabetes

(4) European Journal of Inflammation|TLR4 overexpression enhances saturated fatty acid–induced inflammatory cytokine gene expression in sheep

(5) Rocha DM, Caldas AP, Oliveira LL, Bressan J, Hermsdorff HH. Saturated fatty acids trigger TLR4-mediated inflammatory response. Atherosclerosis. 2016 Jan;244:211-5. doi: 10.1016/j.atherosclerosis.2015.11.015. Epub 2015 Dec 2. PMID: 26687466.

(6) 安い食べ物には何かがある|著者 南清貴

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病。 食生活やライフスタイルを見直したことで心身の良い変化を実感し、これまでの経験から難病の進行抑制、心と体の健康、エイジング対策探求に情熱を注いでいます。
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