若返りホルモン「成長ホルモン」の分泌を増やすために

若返りホルモンといわれている成長ホルモンは、睡眠中にそのパワーを発揮します。

成長ホルモンの働きは、筋肉や骨の成長、脂肪の代謝、免疫系の活性化、紫外線やストレスによって傷ついた細胞の修復・再生など、あらゆる細胞の成長や代謝にかかわっていて、老化の予防や病気の予防のためにも欠かせないホルモンです。

脳下垂体から分泌される成長ホルモンは、身長を伸ばしたり骨を形成する幼少期から成長期にかけて分泌が盛んになります。 その後、加齢とともに減少してしまいますが、運動や食事で分泌を増やすこともできるのです。  

成長ホルモンを増やすために

適度な運動

成長ホルモンは睡眠中に約70%が分泌されますが、筋力トレーニング時にも少しですが分泌されます。運動をすることでさらに睡眠中の成長ホルモンの分泌が活発になるといわれています。

特にお尻や太ももといった全身の中でも大きな筋肉のある下半身の筋肉を意識して鍛えることが効果的です。スクワットやジョギングなど。

ウォーキングは、背中を丸めずに姿勢を保ちながら、出来る限り歩幅を広く大股で、早く歩くのがポイント。 私たちの身体にはホメオスタシス(恒常性の維持)という体温調節や肉体疲労を解消したり身体の機能を一定に保とうとする働きがあります。

筋肉が疲労することで乳酸や一酸化窒素が体内に産出されます。 これらの物質が脳の下垂体に働きかけ、ホメオスタシスの乱れを整えます。この時に成長ホルモンの分泌が促進されるのです。

運動をする時間帯は夕方から夜の就寝3時間くらい前までの間がおすすめ。この時間帯は1日の中でも体温が高くなっているので筋肉が刺激されやすく、さらにより深い良質な睡眠を得られやすいことから成長ホルモンの分泌が促されやすくなるのです。

一方で、就寝前の運動は交感神経が活発になり、良質な睡眠の妨げとなってしまうので控えた方が良いでしょう。

空腹の状態

お腹が空く空腹状態の時に、グレリンというホルモンが胃から分泌されます。グレリンは1999年に発見された比較的新しいホルモンです。

28個のアミノ酸から構成されるペプチドホルモンです。 グレリンは血糖値が下がった空腹時に胃から分泌するホルモンで、脳下垂体に働きかけて成長ホルモンの分泌を促す作用があるのです。いわば成長ホルモン刺激ホルモンです。

一方で、グレリンは成長ホルモン分泌促進作用とは別に、消化管の働きを活発にすることから食欲増進作用も併せ持っているので、食べ過ぎないように注意したいものです。 さらにグレリンは神経系に働きかけ、自律神経を整える作用もあります。

自律神経が整えられるとホメオスタシスの乱れも修復される関係にあるので、自律神経やホメオスタシスの乱れからくる様々な疾患の改善にも効果が期待できます。

お肌もあらゆるケアをやめて、肌断食をするとスキンホメオスタシスが活性化され、肌が本来持っている力が引き出されるようになります。

お腹が鳴ったら成長ホルモン分泌のサインです。間食を控えて、1日の中で2~3回は空腹時間を感じられるような食生活スタイルをつくりましょう。

良質な睡眠

成長ホルモンは入眠してから最初の3時間に最も多く分泌されます。ゴールデンタイムといわれている夜10時~2時までの間でなくても、眠ってから最初の数時間に分泌されます。

十分な成長ホルモンを分泌させるためには日々の就寝時間を規則正しい生活リズムにして質の良い睡眠を心がけることが大切です。

自分の体系にあった枕の高さや、寝心地の良い寝具で睡眠環境を整えたり、スマホやパソコンは良質な睡眠の妨げとなるので寝る前に見るのは控えましょう。

就寝の2~3時間前からリビング等部屋の照明を薄暗く調節し、居心地の良い空間で精神を落ち着かせていきます。お風呂は38度くらいのぬるめのお湯にゆっくり入ります。

自分の体温より少し温かめのお風呂に入ることでリラックスしやすくなり副交感神経が優位になります。そして体が温まったあとは体温は急激に下がる作用があり、落差をつけて体温が下がることで体は眠くなりやすくなるのです。

就寝時の部屋の照明は真っ暗にしなくても出来るだけ暗くします。テレビの付けっぱなしは良質な睡眠に必要なメラトニンの生成を妨げる可能性があるので控えます。そして夕食は入眠の3時間以上前には済ませます。

これは血糖値の下がった空腹状態の時に成長ホルモンが最も分泌されるからです。 遅い時間の夕食は血糖値の高い状態が続いたり、就寝時に内臓が働いているとメラトニンの分泌が減少し、成長ホルモンの分泌も減少してしまいます。

また、寝酒(ナイトキャップ)やお酒の飲み過ぎには注意しましょう。飲み過ぎた翌日は肌が荒れていたり、化粧のりが悪い経験はありませんか?

それは睡眠中にしっかりと成長ホルモンが分泌されず肌細胞の修復・再生といった新陳代謝が十分にされていない可能性が高いです。

アルコールは血糖値を下げる作用があるので、寝つきは良くなりますが、睡眠の質は浅くなるため、途中で目が覚めやすくなったり、十分な成長ホルモンの分泌が望めなくなってしまいます。

お酒も食事も就寝の3時間前には済ませて、内臓が働いていない状態で寝ることが理想です。 そして、朝はしっかりと太陽光を浴びます。

太陽光を浴びることで朝と夜のメリハリを身体が覚え体内リズムが整いやすくなり、夜の良質な睡眠へ誘うためのメラトニンという睡眠ホルモンが生成されやすくなります。

食べ物

たんぱく質に含まれるアミノ酸の一種「アルギニン」と「オルニチン」には成長ホルモンの分泌を促してくれる働きがあります。

アルギニンを多く含む食材は、大豆、きな粉、鰹節、湯葉、マカ、玄米、牛乳、レーズン、ゴマ、エビ、ナッツ類。

オルニチンを多く含む食材は、シジミ、枝豆やだだちゃ豆、エリンギ、ぶなしめじなど。

肝臓に良い事でも有名なシジミに含まれるオルニチンは、冷凍することで栄養素が数倍にもアップするので、購入後すぐに使わない場合は冷凍保存した方が良いでしょう。

さらに、お酒のおつまみとして人気の枝豆にはシジミ以上のオルニチンが含まれているといわれています。  

まとめ

  • 適度な運動
  • 空腹状態をしっかりと感じてから食事をする
  • 朝夕の明暗のメリハリをつけメラトニンの生成をサポート
  • 良質な睡眠環境づくり
  • 規則正しい生活リズム
  • 食事やお酒は就寝3時間前には済ませる
  • 禁煙
  • ストレスをためずこまめに解消する工夫
  • 糖質や食品添加物を控える
  • ビタミン、ミネラル、たんぱく質をバランス良く、抗酸化食材を積極的にとり入れる

 

 

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病。 食生活やライフスタイルを見直したことで心身の良い変化を実感し、これまでの経験から難病の進行抑制、心と体の健康、エイジング対策探求に情熱を注いでいます。
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