お酒好きな方は、飲んでいると楽しくなってきて、ついつい飲み過ぎてしまい、翌朝二日酔いで頭が痛くなったり、気分が悪くなってしまうなんて方も少なくありません。
二日酔い予防にはまず「飲み過ぎない」ということが大前提でありますが、普段から食生活に気をつけ、肝機能を高めておくことで、二日酔いしにくい体質に変化しやすくなります。
毎日の食生活とライフスタイルを見直してみましょう。
生のオーガニック野菜
生の野菜は酵素を豊富に含むアルカリ性食品で、毎日たっぷり摂取したい食材のひとつ。酵素は私たちの体内で生命活動の基盤となる重要な働きをしています。
体を構成する一つひとつの細胞に食べ物からの栄養を補給したり、新陳代謝の促進、肝臓の解毒、免疫システム、ホルモン分泌、活性酸素の抑制、脳の神経伝達などあらゆる生命活動に酵素は関与しています。
ただ体内酵素の生産量には個人差があり、酵素の生産能力が尽きた時に人の寿命も尽きるといわれます。
そのため日常的に生野菜など酵素を多く含む食事を心がけると、体内酵素が温存され、肝臓の代謝酵素の働きを高めることに。
こうした食生活を続けているとお酒を飲んだ時に、肝機能の代謝が活発になり、アルコールの分解・解毒が促進されやすくなるのです。
特にほうれん草や小松菜など色の濃い葉野菜には酵素をはじめビタミン、ミネラル、抗酸化物質が豊富に含まれています。加熱すると酵素が失われてしまうのと、酸性食品へ変化してしまうので注意。
生で食べる野菜は、残留農薬やミネラル不足の心配が少なく、栄養価の高い自然栽培・有機栽培(オーガニック)の野菜を選びたいですね。
海藻類
近年では農薬や化学肥料を使用した慣行栽培が主流で、土壌のミネラルが急激に減少し、そこで育つ野菜や果物の栄養価が低下しています。
ミネラルは生命維持に欠かせない酵素のほとんどの働きに関与しているうえ、人間の体内ではつくることができないので、意識的に摂取したい重要な必須栄養素。
生物の祖先である海の中には豊富なミネラルが含まれています。
昆布、わかめ、もずく、ひじき、海苔などの海藻類にはカルシウム、カリウム、ヨウ素、マグネシウムなどの必須ミネラルが全て含まれているほか、ビタミンA、C、Eや、フラボノイド、カロテノイドといった抗酸化物質を含み、細胞の酸化を防いでアンチエイジング効果も。
マグネシウムは二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解に必要不可欠なミネラルで、飲酒量が増えるほどアルコールを分解するときに、マグネシウムをはじめとするミネラル、ビタミンなどが消費されてしまいます。
ミネラルは特定の種類だけを摂取しても効果を発揮しないので、普段からマグネシウムやカルシウム、亜鉛、カリウムなどさまざまなミネラルをバランス良くとりいれて体調を整えておくことが大切です。
サプリメントは過剰症の懸念があるので摂取方法には注意。昆布には体に必要なミネラルがバランス良く含まれているので料理に使う出汁を昆布でとると、ほかの栄養素と協力して体内で効率良く働いてくれます。
またミネラルはお酢やレモンと一緒に摂ると体内への吸収率がアップするので、わかめの酢の物なども献立の一品に加えると良いですね。
我が家では味噌汁に使う出汁を前夜に準備。昆布、煮干し、干しシイタケを水に浸し、毎日欠かさない味噌汁からミネラル補給をしています。
「ミネラルは栄養の世界のシンデレラ」生命組織に欠かせないミネラル
牡蠣
牡蠣には亜鉛が豊富に含まれています。亜鉛はアルコールを代謝する酵素のはたらきに必要不可欠なミネラル。
そのためお酒を飲み過ぎると多くの亜鉛が消費されてしまい、アルコールを分解するはたらきが弱くなり、二日酔いの原因になりやすくなります。
亜鉛は体内に吸収されにくいミネラルなので、ビタミンCやお酢と一緒に牡蠣を食べると吸収が良くなります。カフェインは亜鉛の吸収をおよそ50%阻害してしまうので摂り過ぎに注意。
亜鉛は肉類、煮干し、卵黄などにも含まれていますが、牡蠣には最も多く含まれています。
発酵食品
納豆、味噌、ぬか漬け、キムチなどの発酵食品はアルコールの排出を促し、肝機能を高めてくれる働きがあるので毎日摂り入れたい食品のひとつ。
発酵食品に含まれる微生物の多くは生きたまま腸に届くので(死んでも善玉菌のエサとなる)、免疫機能を司る腸に有益な作用をもたらし、免疫力アップにも役立ちます。
ただ、発酵食品の有効成分を享受するためには、本物の発酵食品を選ぶことが重要なポイント。遺伝子組み換え原料や食品添加物で作られた商品でない昔ながらの製法で長期熟成してつくられた発酵パワーを持つ納豆や、天然醸造の味噌を選びましょう。
放し飼いの鶏卵
卵には人間の体内ではつくられない必須アミノ酸、必須脂肪酸が理想的なバランスで含まれており、ビタミンCと食物繊維以外の体に必要な栄養素がほとんど含まれている優秀な食品。
卵に含まれるビオチンやコリンは傷ついた細胞をすばやく修復し、肝機能を高めます。脳のアセチルコリンの材料ともなるので記憶力アップや健脳にも。
また、お酒を飲むと体内ではアルコールを分解するときに肝臓内のメチオニン(アミノ酸の一種)がたくさん消費されてしまうのですが、卵にはメチオニンが豊富で100g中に約400mgも含まれており、アルコールの分解を促進してくれるのです。
卵の栄養効果を効率良く摂取するためには、温泉卵や半熟卵など生の卵白は控えて、生の卵黄を摂り入れるのが理想。遺伝子組み換え飼料や抗生物質を与えられていないストレスフリーな環境で飼育される鶏の卵を選ぶことも大切です。
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アルカリ性食品
人の体は約60%が水分で、その体液はpH7.35~7.45の弱アルカリ性に保たれています。
健康な体を維持するめに体は酸性に傾いてもアルカリ性に傾き過ぎてもだめなのですが、現代の食品の多くは酸性食品があふれています。
酸性食品はお酒をはじめ肉類、魚介類、ハム・ソーセージなどの加工食品、脂肪分の多い食品、卵、白米やパンなどの穀物、乳製品、砂糖、清涼飲料水、コーヒー、お菓子、揚げ物の油、添加物、化学調味料、農薬などのほとんどが酸性食品。
酸性食品を多く食べていると、体内のpHバランスを調整するために、骨からアルカリ性のカルシウムが奪われてしまうのです。
お酒をよく飲む方は、普段からアルカリ性食品を意識的に摂りいれたいですね。アルカリ性食品は生野菜、味噌、こんにゃく、梅干し、海藻類、きのこ類、オリーブオイル、天然塩など。
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肉・乳製品は控える
肉や乳製品など動物性食品を多く摂りすぎると、腸内環境が悪化し、肝機能の低下、免疫機能の低下を引き起こす原因に。
消化に負担がかかるので体内酵素の消費も増加し、病気や老化の原因である活性酸素を大量に発生させます。
農薬・添加物を減らす
現代は残留農薬や添加物、放射線物質、遺伝子組み換え食品、化学物質を多く含む加工食品など体の毒となる食品がたくさんあります。
これらは生命に必要なすべての活動を助けている酵素を多く消費したり、有害物質の蓄積、体に必要な栄養素の吸収が阻害されるなどして、解毒処理を担う肝臓に大きな負担がかかってしまいます。
そして発がん性、神経毒性、ホルモン異常、催奇形性、発達障害、アレルギー、キレやすいなどの原因にも。
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ストレスを溜めない
いくら食生活に気を使っていても、ストレスが多いとすべてを台無しにしてしまいます。
ストレスによってマグネシウムやカルシウムなどのミネラルが大量に消費されてしまい、体内に入ってきたアルコールや毒素を排出する肝機能の働きが低下してしまうことに。
外食や加工食品などを減らし、自炊する機会を増やして新鮮な野菜や果物などから得られるビタミン、ミネラル、フィトケミカル(植物由来の天然の有効成分)、良質な脂質、たんぱく質などを普段からバランス良く摂取し、ストレスに対する適応力を高めておくことも大切です。
十分な睡眠
現代の人々は睡眠時間が少なく、睡眠の質も低下しているといわれます。夜、しっかりと良質な睡眠をとることは、栄養バランスの良い食事や運動と同じくらい重要なこと。
一晩の徹夜では10歳老けるともいわれます。
睡眠中は酵素がつくられたり、若返りホルモンの成長ホルモンが分泌され、傷ついた細胞を修復する最も重要な時間。
疲れた内臓や、お酒を飲んで代謝につかわれた肝細胞を再生したり、細胞分裂が盛んになるので美肌や健やかな髪の成長も促します。
睡眠時間は個人差があるものの、7~9時間が理想。朝目覚めた時に、疲れが残っていたり、眠くて起きるのが辛い、などの症状がなければ、十分な睡眠時間がとれています。
普段の食生活を見直して肝機能アップ
実際に私はこのような食生活、ライフスタイルを変え数カ月してから、自然と体重が減ったり、ホルモン周期によるイライラの軽減、たまに飲み過ぎても二日酔いにならないなど体調の変化を感じるように。
日々の食事と生活習慣に気を配ることで、体の代謝機能や解毒力が高まるのだということに気付きました。
また食事の際にワイン1~3杯程度なら、食後の血糖値の上昇を穏やかにすることがわかっており、活性酸素と並び老化の大きな要因となる糖化(AGEs)の予防にも。しかもワインは体内ではアルカリ性として働きます。
ただお酒の飲み過ぎは、病気や老化の原因となる活性酸素を体内に大量発生させてしまうので、日々の食生活で肝機能を高めながら、お酒は適量を守って楽しく付き合っていきたいですね。