きのこ

きのこ類がほかの植物よりも放射線物質を蓄積しやすいのはなぜ?

きのこ類には骨や免疫機能を強化するビタミンDや、塩分の排出を促すカリウムなど体に必要なミネラルが豊富に含まれる栄養満点なスーパーフードです。

一方で、きのこ類はほかの植物よりも放射線物質を蓄積しやすい特徴があるのをご存知でしょうか。選ぶときは産地や検査状況などを確認しましょう。

放射能ときのこ

2011年の東日本大震災にともなう東京電力福島第一原子力発電所の事故によって東日本の広範囲で放射線セシウム汚染が発生しました。

山の幸である野生きのこや山菜の放射能汚染は今も問題となっています。東日本の広い地域では、国が定めた食品の基準値(1キログラムあたり100ベクレル)を超える放射性物質が検出されています。

なぜ現在も野生きのこや山菜から放射性物質が検出されるのでしょうか?

森林総合研究所では次のように述べています。

”野生きのこや山菜の放射能が高い理由として

(1) 森林に降った放射線セシウムの大部分が流出することなく森林の土壌に残っていること

(2) 一般に施肥を行う農地とくらべて森林の土壌中にはカリウムなどの養分量が少なく、放射線セシウムを吸いやすい条件にあること

(3) きのこや山菜はもともとミネラルが豊富でセシウムも吸いやすい性質を持つこと

などが考えられます”

セシウムは森林の樹冠(樹木の上部)や土壌表面の落ち葉などに沈着しています。

これらが雨水によって土壌下部へ染み込んでいくと、やがてきのこや植物の根から吸収され、再び樹冠を経て土壌へ移動するというように、セシウムは移動しながら森林の中に留まっているということです。

セシウムを吸収したきのこや植物たちが生命を終えるとセシウムは土に還り、再びきのこや植物、樹木たちに吸収され、森林の中をセシウムが循環している状況です。

放射線セシウムは崩壊して減らない限り、森林から移動することはほとんどないと考えられています。

また、きのこはカリウムをたくさん吸収するといった生理的特性を持っています。セシウムとカリウムは化学的な性質が似ています。

そのため施肥を行う農地と違い、カリウムの少ない森林の土壌ではきのこが間違ってセシウムを取りこみ、結果的に放射線濃度が高くなりやすい傾向にあります。

チェルノブイリ原発事故後の研究データでもきのこはほかの植物よりも、多くの放射線セシウムを蓄積することが報告されており、きのこが放射能に汚染されやすいということが知られるようになりました。

あなたの知らないチェルノブイリの15のこと

セシウム137は核実験由来?

現在、原発事故に由来する地表に沈着している放射線セシウムの核種の多くはセシウム134とセシウム137です。

セシウム134は放射能の半減期が約2年で、セシウム137は半減期が約30年と長くなります。最近の放射能検査ではセシウム134はほぼ検出されなかったり、減少傾向にあるということが報告されています。

セシウム137については、実は2011年の福島原発由来ではないといわれています。

福島原発事故後の測定の中で原発事故由来ではない放射性物質が各地で見つかったのです。中には基準値を超えているものもありました。
その後、それは1950年代の核実験由来の放射性物質だということが分かったのです。

核実験由来のセシウム137は半世紀後も森林内に留まっていた

福島原発事故の発生以前における日本の森林土壌には1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故によって放出されたセシウム137も蓄積していたということです。

きのこの栄養機能を大事に

渋谷マークシティ内の連絡通路に岡本太郎氏の巨大壁画「明日の神話」が設置されていますね。

ビキニ環礁でマグロ漁船の第五福竜丸が米国の水爆実験に巻き込まれて被爆する瞬間がモチーフに描かれています。

人々が原爆がもたらす悲劇を乗り越え、その先にこそ「明日の神話」が生まれるのだという、岡本太郎氏の痛切なメッセージがこめられた最高傑作です。

美術館に行かなくとも間近でこの圧倒的な迫力、畏怖、絶望、エネルギーを感じることのできる希少な大作。

今、放射能問題だけでなく、農薬、化学添加物、遺伝子組み換えなど「食」についての不安が絶えない現代社会です。

日本で認められて使用されている農薬や食品添加物の中には、海外では使用が禁止されているものや、発がん性が疑われるものもあります。

友達や恋人、家族と一緒に同じものを食べたとしても、実際にその人の体の中でどんな化学反応が起こるのかは個体差があり、病気になっても他人が変わってくれるわけではありません。

自分自身で必要な情報をとりにいき、何を食べるか考え、たくましく生きていかなければ、と感じさせられますね。

しいたけには人工栽培の「菌床しいたけ」と、自然栽培の「原木しいたけ」があります。

菌床しいたけは木を細かくしたおがくずに栄養剤や菌を混ぜ、温度湿度管理された施設内で栽培されるので3~6ヶ月と早いサイクルででき、1年中収穫の安定性があります。

一方、原木しいたけは自然の森林の中にある原木に菌を植え付け、自然環境にまかせ無農薬・無肥料で自然栽培されるため収穫まで約2年かかります。

菌床しいたけとくらべて収穫まで時間がかかり、気候条件などの影響もあり安定生はありませんが、原木の栄養分をゆっくり時間をかけて吸収し、自然環境の中で育った原木しいたけにはグアニル酸などのうま味成分が凝縮され、肉厚で圧倒的なうま味、香り、コク、栄養が豊富に含まれています。

上質なだしもとれますよ。ただ、山林の中で栽培される原木しいたけは放射性物質を吸いやすく、最も注意が必要な食材ですが、放射能検査で不検出の汚染のないしいたけもあります。

放射能検査を定期的に行い、信頼できる生産者さんの食材を選び、きのこ類のもつビタミン、ミネラル、抗酸化物質、浄化作用など、きのこのすばらしい栄養機能を大事にいただいていきたいです。

自然栽培の食事が体内に蓄積した農薬や有害物質の排出力を高める

【参考文献】

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病を患っています。 これまでの経験から栄養学、免疫学などを学び、難病の進行抑制、エイジング対策に情熱を注いでいます。
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