ミネラルは十分に摂れていますか?ミネラルは5大栄養素のひとつで、生命維持に大きく関与している重要な栄養素です。
ミネラルは不足しても、過剰になっても体にとって良くありませんが、現代の食生活環境では意識して摂らないと不足しやすい傾向に。
ミネラルは体内でつくり出すことができない成分なので、食品から積極的に摂取する必要があります。
生命を支えるミネラル
ミネラルは全体では120種類ほどありますが、人体には16種類のミネラルが必須で、ひとつでも不足すると体は異常を起こし、著しく不足すると生命にも関わります。
体を構成する栄養素の中でミネラルが占める割合は約4%と微量ですが、すべての細胞でとても大切な働きをしているのです。
私たちの体は全身数10兆個の細胞で構成されており、食べ物からの栄養素を代謝したり、エネルギーに変えるなど、生命維持に必要な細胞内での化学反応には酵素の働きが不可欠。
この酵素をスムーズに働かせるためには、ミネラルやビタミンがどうしても必要なのです。
ミネラルは酵素の働きを支え、新陳代謝、ホルモンの分泌、脳の神経伝達、血液のpH調整(弱アルカリ性に保つ)、細胞の浸透圧作用もあり、必要な栄養分を細胞内に入れたり、老廃物を細胞外へ排出する働きもしています。
病気の予防やエイジングケアに欠かせない抗酸化物質のフィトケミカル(ポリフェノールなど)や、良質な油(オメガ3脂肪酸など)の吸収にもミネラルの助けが必要に。
酸素やビタミンを体内で有効活用するためにもミネラルなしではその有効性を発揮することができません。それほどミネラルは私たちの体の中で重要な役割を果たしているのです。
ミネラル欠乏が現代病を招く
ミネラルが不足すると、疲れやすくなったり、うつ症状、情緒不安定、イライラ感、無気力、集中力・記憶力の低下、発達障害、体重増加、骨粗鬆症、肌老化、白髪増加、貧血、低体温、免疫力の低下にも影響を与えることに。
また心臓病や肝臓病、腎臓病、がん、動脈硬化、甲状腺疾患、自律神経失調症、喘息、アレルギー、便秘、下痢、不眠症、成長不全、性欲減退、食欲不振、味覚異常、関節炎、皮膚炎、脳障害などもミネラルの欠乏と関係していることがわかってきています。
たとえば動脈硬化はカルシウムやマグネシウム、セレン、亜鉛、クロムなどの欠乏。貧血は鉄、銅、マグネシウム、マンガン、コバルト、亜鉛などの欠乏。
高血圧はカリウムやクロムなどの欠乏、糖尿病はカリウム、クロム、マンガンなどの欠乏によって起こることが明らかにされています。
またミネラルはひとつの栄養素が欠けても病気を招くことになります。銅が欠乏すると、まず白髪という症状であらわれ、顔のシワやくも状静脈、貧血などの原因に。
亜鉛は細胞の新陳代謝に関わる300種類以上もの酵素の活性を助けており、成長ホルモンや性ホルモンの分泌、たんぱく質の生成、免疫機能、脳の神経伝達物質の働きにも関与しているため、不足すると精神や脳の働き、老化にも大きく影響します。
カルシウムひとつが不足すると骨粗鬆症をはじめ関節炎、三叉神経痛、耳鳴りのほか、脳の神経伝達の働きにも関わっているので自律神経障害、精神不安定、運動機能障害、アルツハイマーなど認知症の大きな原因にも。
遺伝性であると考えられている病気のほとんどは、実はミネラルの不足が原因だともいわれています。
世界の長寿者の共通点
「健康な体で長生きしたい」これは多くの人々の願いですね。日本人の平均寿命は世界でも上位の長寿国だといわれていますが、寝たきりの高齢者が多く、健康寿命は長くありません。
では世界中の健康で元気な長寿者たちはどんな食生活をしているのでしょうか。健康長寿を全うするコーカサス、ビルカバンバ、フンザといった地域では、西洋医学、栄養学、健康保険などの恩恵はありませんが、なんと120歳から160歳まで長寿を達成しているといいます。
こうした長寿地域にはいくつかの共通点が見られます。
- 空気、水、食料を汚染する化学物質や、農薬・肥料など近代農法が存在しない
- 海抜3000から4300メートルの高地で山の中に住んでいる
- 飲料水は白濁した「氷河ミルク」と呼ばれる溶けた氷河のミネラルを豊富に含む水
- 西洋の対処療法が昔から行われていない
- 新鮮な生野菜や果物、山菜をたくさん食べている
- 海藻をたくさん食べている
- 肉はほとんど食べない
- 炭水化物は少なめ
- たんぱく質は魚介類や大豆から摂っている
- 砂糖は摂らない
- 脂肪は野生の木の実から摂取
こうしてみると自然に沿った生活環境の中で、菜食主義者に近いような食生活をしていますね。
日中は農作業で働きながら日光を浴びているので自然と免疫力を上げるビタミンDが十分に生成されたり、質素な食事が体内酵素を温存し、豊富なミネラルが全身の細胞を活性させ、健康長寿につながっているのかもしれません。
ミネラル分をたっぷり含む氷河の溶けた水「氷河ミルク」には60から72種類のミネラルが含まれているといわれ、飲料水のほか、土壌にもミネラル成分が豊富に。
そのためここで育つ農作物にもミネラル分が吸収されていき、ビタミンや抗酸化物質など栄養豊富な野菜や果物が生育されます。
植物たちがミネラルを吸収すると光合成などによって無機酸のミネラルが有機酸に変わり、超微粒子のコロイドミネラルに変化。
ミネラルは有機化されることではじめて人体に吸収されるので、人間やほかの動物はミネラルを含む植物を食べることでミネラルを体内に摂りこみ活用することができるのです。
さらにコロイドミネラルは赤血球の1万分の1くらいの大きさの超微粒子なので、体内に吸収されやすく、全身の細胞でくまなく活躍してくれます。
現代の農薬や化学肥料で痩せた土壌からは摂取できないミネラルを、長寿地域の人々はたっぷり摂取し、健康長寿を全うしている。ミネラルはまさに若さの泉です。
ミネラル吸収を阻害する食品
ミネラルは水銀や鉛、カドミウムなど人体に有害なミネラルを排出・無毒化してくれる働きもあります。また、高含有量のサプリメントは過剰症の心配があるので摂取量には注意。
また食品添加物に多く含まれるリンは、カルシウムや鉄の吸収を妨げるので、外食やコンビニ弁当、ジャンクフード、インスタント食品、お惣菜、加工食品などを控えて、リンの摂取を減らすことも大切です。
食生活を変え難病の体に良い変化
我が家では、自然農・有機農の生野菜や、ミネラルバランスの良い海藻類、昆布や乾椎茸で自然の出汁をとるなど、できるだけ自然の食材からミネラルを補給するように意識しています。
オーガニックの生野菜にはミネラル、ビタミン、食物繊維のほか酵素が豊富に含まれています。(酵素は熱で失活)
もずくには化学添加物まみれのたれが付属していないものを選び、天然醸造のお醤油をかけて食べています。レモンやお酢をかけるとミネラルの体内吸収率(バイオアベイラビリティ)がアップ。
きのこや山菜はミネラルが豊富なのですが、放射線セシウムを吸収しやすい性質があるので、放射能検査を定期的に行っているかなど確認して選ぶようにしています。
きのこ類がほかの植物よりも放射線物質を蓄積しやすいのはなぜ?
乾椎茸には生鮮きのこ類のなんと、約9倍ものビタミンDが含まれているのですよ。そして圧倒的なうま味、香り、コク、栄養が豊富。免疫力アップで感染症予防、血流改善作用で高血圧やコレステロール値の低下、アンチエイジング効果も望めます。
このような食生活にシフトしてから、寝たきりに近かった神経難病の夫は、1日の中で調子の良い時間が徐々に増えていき、日常生活の多くを一人で行えるようになってきました。
私の方は代謝が上がり、体重が自然と4ヶ月で5kg減りました。特別運動をしたり、食事制限などは何もしていません。細胞は毎日食べたものと置き換わっている。というけれど、何を食べるかでこんなにも体が変化するんだということに驚きました。
ミネラルで若々しく健康に
厚生労働省によると近年ミネラルは最も不足している栄養素で、難病、アレルギー、自己免疫疾患、精神障害、不妊、発達障害などさまざまな病気、体調不良が激増しているといわれます。
ミネラルは体内でつくることができないうえに、農作物のミネラルが減っていることもあり、意識的に補っていく必要性を感じます。
またミネラルは特定の種類だけを摂取してもその効果は十分に発揮されません。全体のバランスによって相互作用するので種類豊富なミネラルをバランス良く摂取することでお互いの働きを高めてくれます。
私たちの体は日々食べるものによって常に新しく生まれ変わっています。寿命や老化の速度は遺伝的なものが影響する割合は約25%で、環境因子によって約75%が決まるそう。
ですので遅過ぎるということはないのです。気付いた時から食生活やライフスタイルをシフトすれば、そこから健康な細胞へ、新しい体へシフトしていくことができる。
毎日食べるものは体に安心で、ミネラルや栄養素が豊富に含まれるオーガニック食材や海藻類を選び、健康で、若々しい体づくりを心がけていきたいです。