老化や病気の原因「活性酸素」とは?さびない身体になるために

老化とは身体が酸化し、さびていくことともいえます。体内の細胞や血管をさびつかせずにいつまでも若く保つことは様々な疾病の対策やアンチエイジングの根幹でもあります。

その身体をさびつかせる大きな要因といわれているのが活性酸素です。活性酸素 のメカニズムとはどのようなものなのでしょうか。

肌と体内老化

エイジング(肌老化)とは主に、酸化、ホルモンの変化、加齢による筋力・代謝の衰え、細胞・免疫機能の低下、糖化などを指します。

お肌の曲がり角はよく25才や30才前後などといわれますが、実際に体の内部では15、16才から老化がはじまっているといわれています。 老化が進行し、ようやく肌表面に表れてくる時期が25~30才頃なのです。

肌の衰えを感じた頃には、すでに老化がかなり進行している状態で、さらに進行スピードも早くなっています。 これは肌に限ったことではなく、がんをはじめ神経疾患や生活習慣病など、様々な疾病に共通していえることです。

実際の病の診断や自覚症状が表れる何年も前から体内では病や老化の進行がはじまっています。 時間を止めることができないように、老化を止めることはできませんが、日々の心がけやケアによって老化のスピードを遅らせたり、体を良い状態で維持することができると考えられています。

1日も早いエイジングケアをはじめることが大切で、5年後、10年後の肌や体に差が出てくるでしょう。

酸化と活性酸素

酸化とミトコンドリア

リンゴを切ってしばらくすると茶色く変色していきますね。これはリンゴの断面が酸素にふれることで酸化する現象です。

呼吸をして酸素を身体の中に取り込んでいる私たちの体や細胞でも同じことがおこっています。 私たちの体の中には約37兆個もの細胞があります。

その一つ一つの細胞には小器官であるミトコンドリアが数百から数千個もあるといわれています。 ミトコンドリアは酸素を使い、糖を燃やしてATP(アデノシン三リン酸)という生命維持活動に必要なエネルギー源を作っています。

このエネルギーによって、私たちは頭や心臓、体を動かしたり、ホルモンや神経伝達物質を作り出したりすることができています。熱も作り出すので体温を上げたり、脂肪の燃焼を高めてくれる働きもあります。

生命活動を維持するうえで全ての細胞がスムーズに代謝をして修復、再構築を繰り返しいるのですが、ミトコンドリアの働きが低下すると細胞の修復が遅くなったり、正常な細胞を維持することができなくなり、老化の促進や病気の要因となってしまいます。

高齢者でも元気でエネルギーのある人はミトコンドリアの働きが活発だといわれています。 このミトコンドリアの働きを高めて細胞の代謝がスムーズに再構築されることが病気の予防やエイジングケアにとって重要なのです。

一方で、ミトコンドリアが酸素を使ってエネルギーを作り出し、代謝を繰り返す過程で、酸素の0.1~2%が活性酸素になるといわれています。

本来、活性酸素は体内に入ってきた有害物質やウィルスから私たちの体を守ってくれる働きがありますが、活性酸素が過剰に発生してしまうと、細胞の代謝を阻害したり、正常な細胞を傷つけてしまうのです。

異常細胞が発生すれば、ガンや動脈硬化、神経変性といった様々な病気や老化の元凶となります。 肌の上で活性酸素が増加すれば皮脂が酸化して過酸化脂質となり、シミやシワといった肌老化を加速させてしまいます。

血管の中で活性酸素が増加すれば動脈硬化や血栓などのリスクが高まり、脳内で活性酸素が増えれば脳の神経細胞が減少したり、脳に関わる病のリスクが高まるわけです。

体内には活性酸素が過剰に生成されないための抗酸化力が備わっていていますが、加齢とともに減少してしまうので抗酸化力のある食品を積極的にとりいれていくことが大切です。

例えば、肉食動物よりも草食動物の方が長生きなのは、抗酸化成分を多く含む草や葉、種、実など様々な植物達を沢山食べているおかげで植物のもつポリフェノールやカロテノイド、ビタミン類などの豊富な抗酸化パワーをとりいれているからだと考えられています。

活性酸素の悪影響

私たちの体は毎日500リットル以上の酸素をとり込んでいて、このうちの約0.1~2%が活性酸素に変わるといわれています。

強い攻撃力を持つ活性酸素はウィルスや細菌を退治してくれる一方、過剰に増えてしまうと健康な細胞まで攻撃して老化や病気の原因となってしまいます。

酸化と抗酸化のバランスが崩れ、過剰な活性酸素により酸化が進行して細胞が傷つけられることを「酸化ストレス」ともいいます。

鉄と酸素が結びつくことでクギなどの金属が酸化したり、油が古くなると茶色くなったり、これらの酸化反応になぞらえて体や細胞が「さびる」とも表現されます。

過剰に生成された活性酸素は皮脂や細胞をさびつかせ(過酸化脂質)、肌老化の加速だけではなく、血管や臓器をさびつかせ、結果的に何らかの発病や老化の進行につながってしまいます。  

過剰な活性酸素による主な悪影響

  • 細胞膜の脂質を酸化させ過酸化脂質
  • DNAの変異・損傷
  • タンパク質を変性させ 酸化
  • 酵素活性の低下
  • 血管の酸化
  • 細胞減少の促進

このように酸化ストレスが原因でおこる病気は、がん、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病、白内障、膠原病、リウマチ、アトピー、シミ・シワなどの肌老化を含む全身の老化など、実に多くの疾病をもたらします。

さまざまな病気の約90%の原因は活性酸素による酸化ストレスだといわれているほどです。

活性酸素の種類

1.スーパーオキシド

一番最初に作られる代表的な活性酸素。エネルギーの変換過程で、白血球に異物混入することで大量に発生します。

2.過酸化水素

スーパーオキシドの化学反応により発生し、非常に不安定な性質で、強い毒性があります。

3.ヒドロキシラジカル

過酸化水素の化学反応により発生。最も毒性が強く、スーパーオキシドの数十倍もの強力な活性酸素で、過酸化脂質を生成し、さらに他の物質を酸化させ、細胞やDNAを損傷します。

4.一重項酸素

皮膚が放射線や紫外線にあたることで発生。他の活性酸素に変性したり、皮膚がんをひきおこす可能性も。

活性酸素が過剰に発生する主な原因

  • 精神的・肉体的・環境的ストレス
  • 慢性的なストレスや強いストレスが生じた時
  • イライラしたり怒りっぽい性格
  • 過度な紫外線、放射線
  • 大気汚染・化学物質
  • 長時間のパソコンやスマートフォンなどの電磁波
  • 食品添加物
  • 喫煙
  • 加齢
  • お酒の飲み過ぎ、食べ過ぎ
  • 睡眠不足
  • 激しい運動
  • 酸化した油
  • 抗生物質やステロイドなど薬の飲みすぎ
  • 便秘や下痢など腸内環境の乱れ

 

活性酸素への対策

私たちの体には過剰に発生した活性酸素に対抗するための「抗酸化力」が備わっています。

活性酸素を分解・抑制してくれる酵素で「SOD」(Superoxide Dismutase・スーパーオキシドディスムターゼ)、「カタラーゼ」、「グルタチオンベルオキシターゼ」などの活性酸素分解酵素です。

これらの酵素と、体外から摂取したビタミン・ポリフェノールなどの抗酸化物質と両者の働きによって私たちの体は守られています。

しかし、体内で作られる抗酸化酵素は20代から働きが低下し、40代以降は急激に低下するといわれているので、毎日の食生活で抗酸化力の高い、抗酸化成分を積極的に摂取していくことが大切です。

抗酸化作用のある成分

  • ビタミンA、C、E
  • カロテノイド(βカロテン、リコピン、アスタキサンチン、ルテインなど)
  • ポリフェノール(アントシアニン、レスベラトロール、カテキン、クルクミン、クロロゲン酸、ショウガオール、イソフラボン、セサミン、ヘスペリジンなど)
  • コエンザイムQ10
  • 良質な脂質(オリーブオイル、オメガ3脂肪酸)
  • 硫黄化合物(アリシン、イソチオシアネート、スルフォラファンなど)
  • そのほかスパイス、ハーブなど

アスタキサンチンはビタミンEのおよそ500~1000倍もの抗酸化力があるといわれています。

レスベラトロールはポリフェノールの一種でブドウの果皮に多く含まれています。強力な抗酸化作用があり、サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)に働きかけアンチエイジング効果が期待されています。 

カロリー制限で老化防止

長寿遺伝子や若返り遺伝子といわれるサーチュイン遺伝子。このサーチュイン遺伝子は老化予防や病気の進行を抑制し、寿命を延ばすかもしれないと言われている夢のような遺伝子です。

サーチュイン遺伝子は常に働いているわけではなく、空腹時に活性化することがわかっています。ずっと食べなければ良いというのではなく、普段摂取しているカロリーの25~30%をカットして、食事は腹7~8分目を目安に。

カロリー制限をすることで、サーチュイン遺伝子が働き、過剰な活性酸素の抑制に役立ちます。

空腹の状態では、ミトコンドリアも活性化されます。

ミトコンドリアを元気にさせることが究極のエイジングケア?  

最後に

活性酸素が過剰に発生してしまう主な原因は紫外線や喫煙など様々な要因がある中で、より悪影響を及ぼすといわれているのがストレスです。

過度なストレスが長期間にわたり継続してあることで体内での活性酸素が大量に発生し、自律神経が乱れ、交換神経が働き過ぎ、血液循環がスムーズに行われず、ミトコンドリアの働きや免疫力が低下してしまいます。

これらのことから活性酸素を過剰に発生させないためには、まず「ストレスを溜めこまない」ということが重要です。

そして睡眠不足やお酒の飲みすぎ、偏った栄養バランス、不規則な生活リズムなど活性酸素が過剰に発生する原因に気をつけることが大切です。

抗酸化パワーの高い食品をバランス良くとりいれ、適度な日光浴、運動、十分な休息をとりいれるとともに、楽しいことや脳をリラックスさせる時間を増やし免疫力を高めてさびない身体を目指していきましょう。    

 

【参考文献】

  • Waris G, Ahsan H. Reactive oxygen species: role in the development of cancer and various chronic conditions. J Carcinog. 2006;5:14. Published 2006 May 11. doi:10.1186/1477-3163-5-14
食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病を患っています。 これまでの経験から栄養学、免疫学などを学び、難病の進行抑制、エイジング対策に情熱を注いでいます。
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