塩には殺菌力や肌に良いミネラル成分が含まれているため、皮膚疾患の治療として海水浴がとりいれられたり、美肌や疲労回復を目的とした塩浴など、塩の使い方は多岐にわたります。
実際に私はシャンプーをする際に塩をとりいれたことで、髪の毛の手触りが良くなって艶がでてきたのを不思議に思い、塩シャンプーについて調べる契機となりました。
塩シャンプーの効果
血行促進で白髪や薄毛予防
頭部は体の一番上に位置するので重力で血行がいきわたりにくいうえ、毛細血管が集中しているので多くの酸素や栄養を必要とし血行不良におちいりやすいのです。
塩で頭皮をマッサージすることによって頭部全体があたたまり、発汗量がアップし代謝が促進します。
その結果、頭皮の血流が改善されると頭皮がやわらかくなって毛根に必要な栄養がいきわたりやすくなり、白髪予防や発毛促進、頭皮環境の改善につながります。
浸透圧で頭皮のかゆみ臭い対策
頭皮環境が悪化していると、皮膚のターンオーバーが正常に行われず、フケやかゆみ、臭いなどの原因となってしまいます。
野菜を塩もみすると野菜の細胞から水分が引き出されたり、魚に塩をふりかけしばらくすると余分な水分や臭いがとれるように塩には浸透圧があります。
身体の細胞内外の体液も頭皮や肌に塩を塗布することで塩分濃度の薄い方から濃い方へ移動します。この水分を動かそうとする圧力が浸透圧です。
この浸透圧によって普段のシャンプーだけではとれなかった余分な皮脂汚れや化学成分、水分が汗と一緒に引き出されやすくなるのです。
そのため頭皮の新陳代謝やバリア機能が高まり、頭皮のかゆみや臭い対策に役立ちます。
トリートメントの効果がアップ
塩シャンプーによって汗が引き出される際に、新しい皮脂も引き出されます。古い皮脂は水分保持力が低下し髪がゴワゴワしたり乾燥しやすくなりますが、新しい皮脂は天然の保湿作用(NMF)があり、髪の毛の水分保持力を高めたり、お肌の保湿効果もアップします。
そのため新陳代謝が促進され地肌がやわらかくなり、頭皮環境が改善されて、すこやかな髪の毛が成長しやすくなります。
さらに、塩シャンプー後はコンディショナーやトリートメントの吸収が良くなるのです。塩水のpHは弱アルカリ性。
塩シャンプーによって髪がアルカリ性に傾くことでキューティクルが開きトリートメントなどが髪の内部に届きやすくなるからです。
髪の根本からふんわりボリュームアップして、ハリや艶が生まれやすくなりますよ。
塩シャンプーの方法
塩シャンプーの作り方
【材料】
- お湯500ml程度
- 塩…大さじ1杯
- 空の容器(ペットボトルや洗面器など)
空の容器や洗面器を準備します。そこに塩とお湯を入れて、塩をしっかり溶かしていきます。
塩分濃度の目安としては10%程度です。あまり濃いと、洗い流したあと髪がべたつきやすくなります。
塩シャンプーの使い方
- 通常のシャンプーをして、よく洗い流します。
- 次に塩シャンプーを頭皮になじませるようにふりかけて、指の腹を使って頭皮全体を丁寧にマッサージしていきます。洗面器の場合は、頭ごと洗面器の中に浸してマッサージしながら洗いましょう。
- マッサージが終わったら塩分が髪や頭皮に残らないように丁寧に洗い流していきます。
- 塩はアルカリ性のため洗った後は髪が少しきしむので中和作用のあるクエン酸リンスやお酢リンスをお好みでしても良いです。そして通常のコンディショナーやトリートメントをします。この時にコンディショナーやトリートメントができるだけ頭皮につかないようにするのもポイント。塩シャンプーの効果が軽減し、かゆみなどの原因となってしまいます。
注意点
- 頭皮や身体に傷がある場合、塩は刺激してしまうので避けた方が良い
- 作り置きはせず、入浴毎に作る
- 塩が髪に残っているとべたつきやごわつきの原因となるので、洗い残しのないようにしっかり流す
- 塩のアルカリ性によって髪のキューティクルが開くとヘアカラーなどは色落ちしやすくなる
- 塩とシャンプー剤を混ぜて一緒に使ったりせず、わけて使用した方が効果を感じやすい
天然塩ですこやかな頭皮と髪に
使用する塩は精製塩ではなく、ミネラルが豊富な天日干してつくられる天然塩がおすすめです。塩化ナトリウムの他、マグネシウムやカリウムなど頭皮やお肌に良いミネラル成分がバランス良く含まれています。
私は塩シャンプーをはじめてから、いつも通りのヘアケア製品でも髪の毛がふんわりさらさらになるのを実感したので、ほぼ毎日使っています。
父にもすすめたところ、頭皮のかゆみが改善して臭いも軽減したと言って、今も継続しているようです。
身近な「塩」で手軽にはじめられる「塩シャンプー」一度、ためしてみてはいかがでしょうか。