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クリルオイルは魚油より優れている?クリルオイルの栄養素とは

クリルオイルはサクラエビと似た外見をしている動物プランクトンの一種である南極オキアミから抽出したオイルです。

体に良いオイルと言われている亜麻仁油やDHA/EPAなどと同じオメガ3脂肪酸の仲間。オメガ3脂肪酸は体内でつくることができないため、毎日摂取すべき必須脂肪酸です。

さらに南極オキアミは強力な抗酸化物質アスタキサンチンを含む藻類を栄養源としているため、クリルオイルはオメガ3脂肪酸とアスタキサンチンを含み、さまざまな健康機能効果、アンチエイジングなどに効果が期待されています。

細胞膜を柔軟にするオメガ3

私たちの体を構成している全身の細胞は細胞膜につつまれています。細胞膜はリン脂質の二重層で構成されていて、リン脂質の一種レシチン(フォスファジルコリンなど)には水と油をくっつける乳化作用があります。

そのため細胞膜は血液や細胞内外の水分をスムーズに出し入れすることができ、細胞に必要な情報や栄養を細胞内にとり込んだり、不要なものを細胞外へ排出したりする重要なはたらきをしています。

常温で固まる飽和脂肪酸(牛、豚などの動物油)やオメガ6脂肪酸(加工食品やサラダ油など)の摂取量が多いと細胞膜が固くなりやすく、細胞内外のやりとりがスムーズに行われなくなってしまう為、減らしたいオイルといわれています。

一方、オメガ3脂肪酸(クリルオイル、魚油など)は積極的にとる必要のあるオイルといわれています。

魚は冷たい海中で過ごすため、魚の脂肪は低温の海中でも活動できるようにマイナス40度ほどの低温でも液状を保つほど柔軟性があります。

こういった性質により細胞膜は柔らかくなり、栄養の吸収や老廃物の排出がスムーズに行われやすくなるのです。

クリルオイルは吸収率が良い

そして青魚に多く含まれているDHA/EPAは、トリグリセリド(中性脂肪)と結合している「トリグリセリド結合型オメガ3脂肪酸」に対して、クリルオイルの脂質は40%がリン脂質(レシチン)と結合しており「リン脂質結合型オメガ3脂肪酸」という構造をしています。

リン脂質結合型オメガ3脂肪酸の特徴は、リン脂質の一種であるレシチンが水と油をくっつける乳化剤として働く作用があります。

そのため、いくつかの研究ではトリグリセリドベースのオイルである魚油よりも、リン脂質ベースのクリルオイルの方がオメガ3脂肪酸が体内に吸収されやすい可能性が高いといわれています。(1)

クリルオイル3つの重要な栄養素

  • DHA/EPA(オメガ3脂肪酸)
  • レシチン(リン脂質)
  • アスタキサンチン(強力な抗酸化物質)

脳機能の活性化

脳は体の中でも最も脂質に富んだ組織であり、水分を除くとおよそ60%が脂質で、その大部分はリン脂質で構成されています。

リン脂質結合型オメガ3脂肪酸のクリルオイルはDHA/EPAの吸収を高め、脳の細胞膜をしなやかにして、神経伝達物質のやりとりをスムーズにしたり、認知機能向上にも効果を期待できます。

さらにクリルオイルには血液脳関門を通れる強力な抗酸化カロテノイドのアスタキサンチンも含まれています。

アスタキサンチンは活性酸素により引き起こされる脳の老化や疲労、脳梗塞、眼精疲労、炎症などを抑制し、細胞膜全体をフリーラジカルから保護してくれる強力な抗酸化物質。

60代から70代の健康な男女被験者に12週間クリルオイルとイワシオイルのサプリメントをそれぞれ摂取した研究では、イワシオイル中のDHA/EPA含有量はクリルオイルよりもはるかに多いにもかかわらず、脳機能改善効果はクリルオイルの方が有益な効果をもたらすことがわかりました。(2)

クリルオイルのリン脂質(レシチン)は脳の記憶に関わるアセチルコリンの材料ともなるので記憶力アップや脳機能の改善にも役立ちます。

PMS症状の改善

女性は月経前になると個人差はありますがホルモンバランの変化により、イライラや不安感など情緒不安定になりやすく、頭痛、倦怠感、肌トラブルなど心と体に不調があらわれやすくなります。

オメガ3脂肪酸は脳細胞の情報伝達を良くするため、精神安定作用のセロトニン分泌を促したり、抗炎症作用によって痛みや炎症を軽減し、PMS症状や生理痛の緩和に役立ちます。

 PMSと診断された女性におけるオメガ3脂肪酸を含むクリルオイルと魚油の有効性を比較した研究では、クリルオイルを服用している女性はオメガ3魚油を服用している女性よりも10日間の治療期間中に鎮痛薬の消費量が大幅に少なかったということです。(3)

この研究ではクリルオイルがPMS症状緩和において魚油よりも有効性が高い可能性があるということですね。

生活習慣病やアレルギーの予防改善

クリルオイルに含まれるオメガ3脂肪酸のDHAはコレステロールや中性脂肪を下げるはたらきがあり、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、高脂血症などの生活習慣病を予防したり、アレルギー症状の緩和、脳機能の向上、眼精疲労などにも役立ちます。

 EPAは血小板凝集抑制作用があり、血液をさらさらにして血栓や虚血性心疾患などを予防。血液の流れが良くなると老廃物の排出が促進され、吹き出物や肌荒れが改善し美肌効果にもつながります。

さらにクリルオイルには強力な抗酸化作用を持つアスタキサンチンも含有。

アスタキサンチンはビタミンEのおよそ1000倍もの抗酸化力があり、病気や老化の原因となる過剰な活性酸素の害から細胞を守り、脳や目の健康、免疫機能の向上、代謝アップ、アンチエイジングにも効果を期待できます。

肝機能を改善

クリルオイルはお酒の飲みすぎや弱った肝機能を改善する働きにも効果を期待できます。

日本水産(株)の研究所が行った動物実験があります。ラットにクリルオイルを投与して血中アルコール濃度の変化を比較しました。(4)

ラットに60%のアルコールを投与したところ、クリルオイルの投与量が多いラットほど血中アルコール濃度が抑えられることが明らかになりました。

また、アルコールによる酩酊状態や肝機能のスコアも改善され、アルコールによる肝臓への障害が抑制され、肝機能の改善・活性化に役立つことが考えられるということです。

オメガ3脂肪酸を効率良く摂取

 DHA/EPAは酸化されやすいので、魚料理をいただく時は、抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンE、カロテノイドなどを一緒にとりいれると良いです。

また、生の卵黄にはリン脂質の一種であるレシチン(コリン)が豊富に含まれています。レシチンには水と油をくっつける乳化作用があるためお刺身や魚料理を食べる時に卵黄を一緒に摂り入れるとクリルオイルと同じような効果を発揮し、DHA/EPAの体内吸収率を高めてくれます。

リン脂質結合型オメガ3のクリルオイルは魚油よりも体に吸収しやすい特性があり、サプリメントなどから摂取することができます。

 

【参考文献】

(1) Ramprasath VR, Eyal I, Zchut S, Jones PJ. Enhanced increase of omega-3 index in healthy individuals with response to 4-week n-3 fatty acid supplementation from krill oil versus fish oil. Lipids Health Dis. 2013 Dec 5;12:178. doi: 10.1186/1476-511X-12-178. PMID: 24304605; PMCID: PMC4235028.

(2) 脳機能改善のための栄養素について(3)クリルオイルの有効性|株式会社シクロケムバイオ

(3) Sampalis F, Bunea R, Pelland MF, Kowalski O, Duguet N, Dupuis S. Evaluation of the effects of Neptune Krill Oil on the management of premenstrual syndrome and dysmenorrhea. Altern Med Rev. 2003 May;8(2):171-9. PMID: 12777162.

(4) n-3系脂肪酸素材クリルオイルの機能性|日本水産株式会社・生活機能科学研究所 

カテゴリー: OIL
食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病を患っています。 これまでの経験から難病の進行抑制、心と体の健康、エイジング対策探求に情熱を注いでいます。
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