その肌荒れや肌老化の原因は飲酒と女性ホルモンが関係しているかも?

私たちの身体の健康維持や免疫機能、美肌づくりに欠かせないホルモンの種類はなんと、100種類以上もあるといわれています。

ホルモンの親玉といわれる「DHEA」をはじめ、男性らしい筋肉や体つきをつくる「テストステロン」、睡眠中に傷ついた細胞の修復・再生をしてくれる「成長ホルモン」、睡眠の質を左右する「メラトニン」、美肌とアンチエイジングに欠かせない女性ホルモンの「エストロゲン」など。

中々治らない肌荒れの原因は、ホルモンバランスの乱れや肝機能の低下が原因かもしれません。「肌は内臓の鏡」「見える臓器」といわれるように、お肌とホルモンバランス、肝機能の関係を見直してみましょう。  

肝臓の主な働き

肝臓の主な働きとして代謝や解毒といった大きな役割があります。そして、現在判明しているだけでも肝臓は500種類以上もの仕事を同時に行っており、これらは肝臓にあるなんと約2000種類以上もの酵素によって生命維持活動に必要な働きが行われているのです。

代謝の役割

食べ物から摂取した栄養素は胃や腸で吸収され、体にとって必要な栄養素を肝臓で分解し貯蔵します。そして必要に応じて貯蔵した栄養成分をエネルギーとして体に送りやすい形に変換し、全身の器官や臓器へと供給してくれるのが肝臓の代謝機能です。

代謝には、糖や脂質の代謝、たんぱく質の代謝などがあり、肝機能が低下するとこうした身体機能に重要な代謝がスムーズに行われなくなってしまうことに。

解毒作用

私たちの身の回りにあふれる食品添加物や残留農薬、有害ミネラル、薬品、アルコールなど、肝臓は体にとって有害な物質を毒性の少ない水溶性物質に分解し、尿や胆汁に排泄して解毒を行っています。

そのため添加物の多い食品や残留農薬の多い食材、過度な飲酒などは肝臓に負担をかけ肝機能が低下してしまうことも。そして膨大な量の解毒処理を行う過程で、活性酸素がたくさん発生してしまう原因にもなります。

胆汁の生成分泌

胆汁は肝細胞で常時生成され、食べ物の消化吸収を助け、解毒作用と共に老廃物の排泄を助ける働きがあります。  

お肌と飲酒と女性ホルモン

お酒と女性ホルモン

適度な飲酒は血行が促進され、代謝アップ、ストレス解消となりますが、お酒の飲み過ぎは女性ホルモンのバランスを崩す原因に。 

女性ホルモンはコレステロールからつくられる脂溶性の物質で、肝臓によって水溶性物質に代謝分解され、尿として体外へ排出されています。

しかし飲酒量が増えると、肝臓はまずアルコールの分解を最優先に代謝していきます。アルコールの代謝が優先されると女性ホルモンの代謝は後回しにされ分解されにくくなってしまうことに。

女性ホルモンはバランスが重要

女性ホルモンの代謝分解がスムーズに行われなくなると、血中のエストロゲン濃度が高くなります。

そうなると女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れて、生理不順やPMSがひどくなったり、髪のツヤが失われたり、吹き出物や肌荒れ、肌の老化を助長してしまう原因に。

そのためアルコールを常用している女性の血中エストロゲン濃度は高いといいます。 女性ホルモンの一つであるエストロゲンは肌や髪の新陳代謝を促してハリやツヤを保ち、女性らしい体型をつくるなど、女性の美しさに欠かせないホルモンですね。

ただエストロゲンは増やせばいいってものではなく、プロゲステロンとのバランスが重要なのです。エストロゲンが優位になると乳がんや子宮がんなど婦人科系の病気になるリスクも上昇します。

飲酒後の肌荒れ

飲み過ぎた翌日は、肌に吹き出物ができていたり、クマがあらわれていたり、なんらかの肌トラブルを感じた経験はありませんか。

糖類が多いお酒は皮脂分泌が過剰になり、肌のバリア機能が低下しニキビや吹き出物ができやすい原因に。

過剰な糖はたんぱく質と結合して、コラーゲンの合成を減少させてしまいます。飲酒によって 肝機能が低下すると新陳代謝がスムーズに行われなくなり、肌細胞の再生や肌に必要なビタミンの合成も妨げられてしまうのです。

特に肌の代謝・再生にとって必要なビタミンB群はアルコールによって大量に消費されてしまいます。

過剰飲酒による悪影響

また、大量の飲酒は体内で病気や老化の原因となる活性酸素を過剰に発生させて、肌荒れ以外にも喘息やアレルギー症状悪化など体内でさまざまな炎症が生じやすくなります。

皮膚の神経は脳につながっているため、皮膚の炎症が起こると炎症物質が脳に運ばれ脳機能にダメージを与える可能性も無いとはいえません。

さらにアルコールには利尿作用と、体内で代謝分解をする過程で水分を必要とするため体内の水分が飲んだお酒以上に失われて脱水症状になりやすくなります。

これによって肌に必要な水分も奪われてしまい乾燥しやすく、皮膚の角質が硬くなる原因にも。 また、お酒を飲むと寝つきは良くなりますが、中途覚醒したり、睡眠時無呼吸症候群への影響が大きくなるなど睡眠の質が低下します。

良質な睡眠がとれないと睡眠中に肌細胞の生まれ変わりを担う成長ホルモンのはたらきも十分に行われなくなってしまいます。

飲酒以外の肝機能低下の要因

お酒を飲んでいなくても過度なストレスや睡眠不足、食品添加物、残留農薬、高カロリーな食事、炭水化物や甘いものの食べ過ぎなどにより肝臓には負担がかかってしまいます。

これらは女性ホルモンの適切な働きを妨げる原因にも。 肝機能が低下することによって、ホルモンバランスも崩れやすくなり、皮脂分泌が過剰になったり、肌のバリア機能が低下しニキビや吹き出物ができやすくなってしまうのです。

ホルモンバランスの乱れによってニキビや吹き出物があらわれやすい箇所は主に、額・顎まわり・首・デコルテライン・背中です。  

女性ホルモンと肝機能を高める

食生活の見直し

肝機能を良くする食材と栄養素は発酵食品(味噌、納豆など)、食物繊維(野菜、こんにゃく、きのこ類、海藻類)、ビタミンB群(豚肉、あさり)、抗酸化食品(ブルーベリー、マキベリー、トマト、アボカド、ブロッコリー、イチゴ、鮭、赤ワイン)など。

女性ホルモンのバランスを整えてくれる食材と栄養素は野菜、海藻類、大豆食品(豆乳、豆腐、納豆、味噌)、亜鉛(牡蠣、カツオ、卵黄)、ビタミンE(アボカド、ナッツ)、オメガ3脂肪酸(魚介類)など。

ビタミンとミネラルは、ホルモンバランスを整えて、ホルモンが体内で上手く働くように作用します。抗酸化食品は活性酸素を抑制したり、食物繊維は老廃物を排出し腸内環境をキレイに。体内に老廃物がたまったままでは、ホルモンが上手く機能しなくなってしまいます。

食事は食べ過ぎ飲み過ぎを控え腹8分目に。食品添加物や残留農薬の多い外食、コンビニ弁当、お惣菜、加工食品、菓子類など肝臓の解毒処理を増やす食品を控えることもポイントです。

飲み過ぎ注意

お酒は百薬の長といわれるように、適量であれば血行が促進され女性ホルモンの代謝が上がりストレス解消にもつながりますが、飲み過ぎには要注意。

徒然草には「百薬の長とはいへど万(よろづ)の病は酒よりこそ起れ」(酒は百薬の長というが、さまざまな病気は酒から起こる)という一説があります。

お酒をまったく飲まない人に比べて適度な飲酒をする人の方が死亡率が低いとの報告もありますが、飲み過ぎはさまざまな病気を引き起こすことが昔から知られています。

お酒の適量は個人差がありますが、1日平均純アルコール20グラム程度です。そして週に2回以上は肝臓を休ませるための休肝日を。

飲酒時に気をつけたいポイント

飲酒時のおつまみは揚げ物や味の濃いものは控え、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な食事をすることがポイントです。野菜、海藻類、卵、枝豆、ナッツ類など。

海藻はビタミン・ミネラルの宝庫。低カロリーなうえ便秘やむくみを解消し、ホルモンバランスを整える優秀な食材のひとつです。

そして飲酒時にはいつもより水分補給を多めに。お酒を飲んだ分と同量か、それ以上の水分補給が翌日のお肌の為にも大切です。

外出先では、1杯のお酒に1杯のチェイサー(お水)をセットで頼むクセをつけると肝臓への負担が軽減され二日酔い予防になります。

ホルモンバランスを整え美肌に

まずは過度な飲酒やストレス、睡眠不足、食品添加物など肝臓への負荷を軽減し、良質なたんぱく質やビタミン・ミネラルなどホルモンバランスを整えていく食材を心がけることが大切に。

ホルモンバランスが整うことで女性の美しさをつくるエストロゲンの効果が発揮されやすくなります。

 

美肌のカギは女性ホルモンと成長ホルモン      

 

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病。 食生活やライフスタイルを見直したことで心身の良い変化を実感し、これまでの経験から難病の進行抑制、心と体の健康、エイジング対策探求に情熱を注いでいます。
投稿を作成しました 169

関連投稿

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る