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ミツバチがいなくなると食糧危機に?私たちにできること

近年ミツバチは世界中で減り始め、巣に戻らず大量失踪したり、原因不明の大量死が問題となってるのをニュースなどで見聞きしたことがあると思います。

私たちが日々の食生活の中で食べている野菜や果物といった農作物。これらが実るために必要な多くの受粉にミツバチは関わっています。

そのためミツバチがいなくなるということは、やがて私たちの食べるものもなくなってしまうということに。日々の生活の中で私たちは何ができるでしょうか。

ミツバチの減少と農薬

ミツバチの減少がみられるようになったのは1990年頃から。巣穴には孵化したさなぎや女王バチがいるのにミツバチだけが突然姿を消す。CCD(蜂群崩壊症候群)と名付けられたその減少は世界各地でみられるようになりました。北半球では少なくとも4分の1のハチが2007年までに姿を消したという報告もあります。

日本では2005年に岩手県で初めて使用されたネオニコチノイド系農薬(商品名ダントツ)によってミツバチ被害が問題となりました。

ミツバチの失踪や大量死は気候変動、単一栽培(モノカルチャー)などさまざまな原因が影響を与えているといわれていますが、2012年ネイチャーサイエンスなど一流科学雑誌に、その主原因はネオニコチノイド系農薬だという科学的根拠が発表されています。

ネオニコチノイド系農薬は1990年代から使われるようになった比較的新しい農薬で、タバコに含まれる猛毒な「ニコチン」に由来し、強い神経毒性を持つ殺虫剤です。

農業用のほかガーデニングや家庭用殺虫剤、建物の防腐剤、ペットのノミ取り剤など、知らず知らずのうちに私たちの身近なところでさまざまな用途に幅広く使用されています。

「浸透性」「残効性」「神経毒性」がこの農薬の特徴で、標的とする生物のみならずミツバチの脳神経を破壊し、免疫機能を弱めることがわかっています。

このネオニコチノイド系農薬は昆虫類の脳の主要な神経伝達物質であるアセチルコリン受容体に結合し、脳の神経を壊すので、ミツバチは帰り道の記憶を喪失したり興奮状態が続き、最終的に麻痺と死にいたります。

ネオニコチノイド系農薬の影響は花粉交配者である野生のハチや昆虫類、水や土壌汚染、人の健康へも悪影響を及ぼし、今世界規模で汚染が広がっています。

この農薬の特性として浸透性と残効性があることから、植物内部に浸透し留まり続け、私たちが日常食べている野菜や果物、米、茶葉の残留農薬は内部まで洗い落すことができません。人では記憶や学習、自律神経に悪影響を及ぼし、特に感受性の強い子供や胎児への影響が懸念されています。

ハチミツや米も汚染

スイスのヌーテシャル大学などの研究チームは2017年世界各地のハチミツの75%に少なくとも1種類のネオニコチノイド系農薬が含まれていると発表。

健康や美容に良いイメージのハチミツですが、汚染されていない純粋なハチミツはごくわずかしかないなんて残念ですね。

北海道ではかつて米作不適合地とされていました。ところが近年北海道産米の販売拡大が目覚ましく、スーパーのお米売場では北海道のブランド米がたくさん並んでいるのを見かけたことがあると思います。

かつて私も北海道のブランド米は美味しくて購入していた時期がありましたが、少し調べてみると恐ろしい事実が発覚。

広大な北海道では人口密度の高い地域とくらべて、近隣住民の苦情を気にせずネオニコチノイド系農薬をドローンなどで手広く空中散布することができるため、他の地域よりも農薬の使用量が多いのだということ。そして日本で一番ミツバチが減少しているのは田んぼだそうです。

空中散布は風や雨によって広範囲の地域を農薬汚染しミツバチやトンボを激減させるだけでなく、生態系や地下水を汚染。人間の神経にも悪影響を及ぼし、発達障害、催奇形性、アレルギー、神経難病の増加への影響が指摘。そもそも欧米では農薬の空中散布そのものが禁止されています。

農薬に関連する健康被害は後を絶たずこうした事態を受け、EU全域ではネオニコチノイド系農薬の使用禁止や規制が強まるなど各国では農薬規制への動きが活発化してきています。

しかしこの重要性にもかかわらず日本ではほとんど規制されておらす、ネオニコチノイド系農薬の使用量は、日本が世界最大だそうです。

国産の農作物は安全ですか?日本の農薬使用量は世界トップレベル!

自然界での効率的な受粉

自然界で花を咲かせる植物のおよそ8割がミツバチや昆虫によって植物に実りをもたらし、ミツバチは野菜、果物、家畜の飼料となる作物など、世界の農作物の3分の1以上の受粉に関わっているといわれます。

ミツバチはたくさんの花を訪れて花蜜を集め、蜜は「蜜胃」という貯蔵スペースに蓄えられ、花粉は後肢にある花粉バスケットに詰めて巣に持ち帰ります。

1頭のハチが1度に持ち帰られる蜜はわずか20から40mg。小さじ1杯のハチミツを集めるにはハチ1頭が5日間フル稼働し、レンゲなら14,000もの花を回る必要があるそう。

ミツバチは花から花へ移り渡り花粉から必要なたんぱく質を摂取し、花の蜜からは炭水化物を摂取するなど、ミツバチは食事をしながら自然の生態系の中で効率良く受粉を行っています。

ミツバチがいなくなると

ミツバチのいない地域では人の手作業で受粉を行っていることも少なくありません。ただミツバチや昆虫を介する自然受粉の方がはるかに効率的で、品質の良い作物が育ちます。

例えばミツバチが受粉に関わらないイチゴは重さが軽くなり、実ったとしても半分以上が生育不良となってしまうといいます。

作物の受粉に関わる野生のハチは400から500種類もあるといわれ、牛や羊が食べる牧草のクローバーやムラサキウマゴヤシの花に集まる種類だけでも数100種類に。ハチによる受粉で種をつくって繁茂し、草木や土壌を豊かにしています。

2011年国連環境計画では「実際には、世界の食糧の90%を提供する100種の作物のうち、70種以上がミツバチによって受粉されています。」と報告されています。

このようなハチたちが減少し受粉が行われなくなれば森や草木が枯れ、一面の生態系が破壊し、野生動物や家畜の餌が無くなり、私たちの食べるものも無くなるということ。受粉の恩恵は経済効果という面においても計り知れません。

自然環境と健康を守る行動へシフト

ミツバチや野生のハチは人が雑草と呼ぶアキノキリンソウ、タンポポなどの花粉を集めて幼虫に食べさせたり、ムラサキウマゴヤシの花が咲く前はスイートピーに集まり、秋がきて餌が無くなればアキノキリンソウに集まって冬支度をする。自然は寸分も狂わず正確に動いているのです。

そして私たち人間もまた自然界の一部であり、自然の調和の中で生かされています。化学物質などによって植物や生態系に異常が生じれば、人間の健康を害することにもつながる。地球環境と健康は別々のものではなく、1つであるということです。

この自然界のバランスを人間活動によってこれ以上壊さず、生物多様性を守るために私たちには何ができるでしょうか。

個人でできることはごくわずかなことかもしれませんがハチが好む花や植物を植えたり、生態系を守る環境活動への参加。家庭菜園等での除草剤や室内での殺虫剤使用を減らす。そして農薬漬けのお米、パン(小麦)、野菜、果物などの購入を控え、無農薬栽培・オーガニック食品を選ぶ消費行動をとる。などがあげられます。

2020年は新型コロナウィルスの影響によりエコロジカルフットプリントが減少し、人々の行動が変われば環境への負荷を変えられるということがわかっています。

一人ひとりが自然環境と健康を守る行動へシフトしていくことで、やがて大きな変化を生み出すのではないかと思います。

人間活動が地球の生産力を60%超過しているという驚異的な現状

【参考文献】

 

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病を患っています。 これまでの経験から難病の進行抑制、心と体の健康、エイジング対策探求に情熱を注いでいます。
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