免疫力アップも美肌にも欠かせない「亜鉛」のはたらきとは?

亜鉛は健康機能やアンチエイジングのためにも多くの重要な役割を果たす必須ミネラルです。細胞の生まれ変わりを促し、健康な皮膚や髪を育んだり、免疫機能や味覚を正常に保ったりします。

人の体は亜鉛を自然に生成したり、蓄えておくことができないため、不足しがちなミネラルで、意識的にとりいれたい栄養素です。

亜鉛の体における役割

必要不可欠なミネラル

私たちの体は新陳代謝によって細胞の一つ一つを生まれ変わらせ、体を動かすエネルギーを生み出したり、血液や内臓、神経系、免疫系など多くの健康機能を維持しています。

亜鉛は体内で生成できない必須のミネラルで、多くの細胞代謝に関わっています。亜鉛は鉄の次に多い微量ミネラルで、成人の体内に約2g前後存在しています。

わずかな量ですが、亜鉛は細胞の新陳代謝に関わる300種類以上もの酵素の活性を助けているのです。

亜鉛のはたらき

亜鉛は全ての細胞に存在し、皮膚や髪、爪、骨、筋肉、肝臓、網膜、粘膜など体のあらゆる器官や組織を構成しています。

亜鉛は細胞の代謝に関わっているため、細胞の生まれ変わりを促す新陳代謝を高めたり、エネルギー代謝、DNAの合成、体の成長と発達、免疫機能、神経機能、肌の健康、性ホルモン、創傷治癒、たんぱく質の生産にも不可欠です。

アンチエイジングにも亜鉛は欠かせない栄養素です。年を重ねても同世代の人たちより若々しく見える人は新陳代謝が活発に機能している可能性が高いです。

亜鉛の健康効果

味覚を適切に保つ

舌にある味を感じる味蕾(みらい)細胞の生成には亜鉛が必要です。味蕾細胞は早いサイクルで細胞分裂がされているため、亜鉛が不足すると細胞の生成が追い付かなくなり、味覚障害が生じやすくなります。

味蕾の材料となる亜鉛が十分にあれば、細胞の生まれ変わりが適切におこなわれ、味覚を正常に保つことができます。

免疫機能の正常化

亜鉛は免疫細胞の発達と機能に不可欠で、多く免疫系に影響を及ぼします。不足すると免疫機能が低下し、感染症や風邪をひきやすくなってしまいます。

亜鉛の補給は免疫反応を促進し、細胞レベルで免疫機能の正常化に役立ちます。(1)

酸化ストレスを減少

亜鉛は活性酸素によって細胞を酸化させてしまう「酸化ストレス」を減少させます。

酸化ストレスが蓄積していくと、がんや心臓病、血管の衰え、生活習慣病などさまざまな慢性疾患の原因となります。老化が促進され、疲れやすくなったり、肌のシワや白髪が増えやすくなります。

高齢者は若者と比べて血漿亜鉛値が低く、酸化ストレスレベルが高い傾向にあります。高齢者へ亜鉛を補給した研究では、血漿亜鉛値が増加し、酸化ストレスレベルが減少したと報告されています。(2)

肌や髪の健康

肌や髪の毛は主にたんぱく質で構成されていて、亜鉛はそのたんぱく質の合成を助けています。

亜鉛は代謝に関わる酵素の構成成分としてはたらくため、新陳代謝を活発にし、肌のターンオーバー(生まれ変わり)を促進したり、すこやかな髪の成長をサポートします。

亜鉛は新しい肌細胞を生み出し、たんぱく質、ビタミンC、鉄とともにコラーゲンの合成を促します。

二日酔い予防

亜鉛はアルコールを代謝する酵素のはたらきに必要なミネラルです。そのためお酒を飲み過ぎると多くの亜鉛が消費されてしまい、アルコールを分解するはたらきが弱くなり、二日酔いの原因になりやすくなります。

お酒好きな人はアルコールの分解をサポートする亜鉛を積極的にとりいれると良いでしょう。

亜鉛が含まれる食べ物

亜鉛を多く含む食べ物は、牡蠣、豚レバー、牛肉赤身、卵黄、チーズ、カシューナッツなどに含まれています。

この中で特に多く含まれているのが「牡蠣」です。

厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、亜鉛の1日の推奨摂取量は成人男性で10mg、成人女性で8mgとされています。

また、亜鉛が不足しがちな高齢者や亜鉛吸収を阻害する疾患の方、妊娠中、授乳中の方などは推奨摂取量よりも多く摂取する必要がある可能性があります。

注意点

亜鉛は体内に吸収されにくい性質があるとともに、体内では亜鉛が過剰になるのを防ぐ調節機能が働いているので、普段の食生活の中で過剰摂取になる可能性は低いです。

しかし、高含有量のサプリメント等を過剰に摂取すると、銅の吸収を阻害してしまうおそれがあります。銅は鉄の吸収を助けるため、貧血を予防したり、抗酸化にもはたらきます。

亜鉛の許容上限レベルは1日あたり40mgです。ただ、高用量のサプリメントを摂取する必要のある亜鉛欠乏症などの方には適用されません。(3)

亜鉛を効率良く摂取

亜鉛は体内に吸収されにくく、微量ミネラルの中で最も不足しやすい栄養素ですが、ビタミンCと一緒にとりいれることで吸収率が高まりやすくなります。

牡蠣にレモンを絞る食べ方は、理にかなった食べ方ですね。

また、食事で亜鉛をとることが難しい場合はサプリメントで摂取するという方法も効果的です。

免疫機能をはじめ代謝機能、皮膚、髪、味覚、アンチエイジングなど美と健康に欠かせない亜鉛を上手にとりいれていきましょう。

亜鉛が不足すると…

 

【参考文献】

(1) Haase H, Rink L. The immune system and the impact of zinc during aging. Immun Ageing. 2009;6:9. Published 2009 Jun 12. doi:10.1186/1742-4933-6-9

(2) Prasad AS. Zinc in human health: effect of zinc on immune cells. Mol Med. 2008;14(5-6):353-357. doi:10.2119/2008-00033.Prasad

(3) Villagomez A, Ramtekkar U. Iron, Magnesium, Vitamin D, and Zinc Deficiencies in Children Presenting with Symptoms of Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder. Children (Basel). 2014;1(3):261-279. Published 2014 Sep 29. doi:10.3390/children1030261

 

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病を患っています。 これまでの経験から栄養学、免疫学などを学び、難病の進行抑制、エイジング対策に情熱を注いでいます。
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