エビは低カロリーでありながら、良質なたんぱく質を補給できる健康的なシーフードです。さらに病気の予防やアンチエイジングに欠かせない最強の抗酸化物質が含まれています。
エビは低カロリーで豊富な栄養素
エビは世界でも人気が高く、最もよく消費されているシーフードのひとつです。エビには伊勢エビやクルマエビ、テナガエビ、タラバエビなど世界中に数多くの種類があり、およそ3000種もの種類があるといわれています。
その栄養価は種類によって異なりますが、どの品種も代表的なエビの成分が含まれています。エビのカロリーと脂質は非常に低く、たんぱく質が豊富に含まれています。
そして身体に必要なビタミン、ミネラルに加えて良質なたんぱく質、強力な抗酸化作用のあるアスタキサンチンも豊富に含まれています。
エビの栄養と健康効果
アスタキサンチン
エビの赤い色素成分はカロテノイドの一種で、非常に強力な抗酸化物質アスタキサンチンです。
カロテノイドの種類にはリコピンやベータカロテンなど抗酸化作用の高い成分がありますが、アスタキサンチンはベータカロテンの数千倍もの抗酸化力を持ち、カロテノイドの中で最も強力な抗酸化物質です。
アスタキサンチンは病気や老化の原因となる活性酸素が細胞に損傷を与えるのを防ぎ、炎症から保護するため様々な病気の予防や老化予防、美肌効果にも役立ちます。
アスタキサンチンの優れた抗酸化作用によって、血管を若く保ち、血流改善、新陳代謝の促進、免疫力の向上、動脈硬化をはじめ生活習慣病予防に効果を期待できます。
さらにアスタキサンチンは脳や目の健康にも役立ちます。血液脳関門や血液網膜関門という有害物資などが入らないようにするための厳しい関門があり、アスタキサンチンはそこを突破し脳内や網膜内に入ることができる数少ない物質なのです。
そのためアスタキサンチンの抗酸化作用や抗炎症作用によってアルツハイマー病や神経変性疾患につながることが多い脳細胞への損傷を防いだり、目の健康をサポートします。
ビタミンB12
ビタミンB12は水溶性ビタミンでミネラルの一種コバルトを含み「赤いビタミン」とも呼ばれています。
ビタミンB12は補酵素として様々な代謝に関わり、葉酸と協力して赤血球のヘモグロビンの合成を助け、悪性貧血を予防します。
また、たんぱく質の合成を助け、神経系の機能を正常に保ち、良質な睡眠を促すメラトニンホルモンの分泌を調整するなど生体リズムを整える働きがあります。
アルギニン
エビにはアミノ酸のアルギニンやアスパラギン酸、グルタミン酸なども含まれています。
アルギニンは血管を拡張して血流を改善し、新陳代謝を活性化します。そして成長ホルモンの合成をサポートし、免疫機能を強化したり、脂肪の代謝を促し筋力アップに役立ちます。
アスパラギン酸はスタミナを強化したり、グルタミン酸は神経系や脳の機能を高める作用があります。
セレン
エビにはセレンやリン、亜鉛などのミネラルも含まれています。セレンは1日に必要量のおよそ50%近く含まれます。
セレンは病気の予防や若さを保つ抗酸化作用を持ちます。細胞の活性を促進し、細胞膜の酸化によってできる過酸化物質を分解する働きがあり、体内組織の老化を防ぎます。
同じ抗酸化作用を持つビタミンEとともに働くと効果がパワーアップし、コエンザイムQ10の生成を助け、抗酸化力、免疫機能の向上を高めます。
リンはカルシウムと協力し、骨や歯を強化したり、ATP(アデノシン三リン酸)の構成要素としてエネルギーの代謝を助けています。
亜鉛は新しい細胞の形成や新陳代謝、成長に欠かせないミネラルで、味覚を正常に保ったり、新陳代謝を高め、成長を促進します。
また生殖機能にも重要な栄養素で、健康な精子や女性ホルモンの分泌を活性化させる働きがあります。
注意点
エビを含む貝類は、小麦や大豆、乳製品とともに上位の食物アレルギーのひとつに分類されます。アレルギーの主なトリガーはエビに含まれるトロポミオシンというたんぱく質です。
エビにアレルギーがある場合、その症状はさまざまありますが皮膚反応、消化器系の障害、アナフィラキシー反応によって発作や意識が無くなる可能性もあります。
アレルギー反応を防ぐ方法は、食事から完全にエビを取り除くことです。
エビの効果的な食べ方
エビにはアスタキサンチンの抗酸化作用があります。同じ抗酸化作用のあるビタミンCやポリフェノール、ベータカロテンなどが豊富な食品と組み合わせて食べると抗酸化作用がさらに高まります。