自律神経のバランスを整え免疫力を高めるために役立つ食べ物

自律神経は交感神経と副交感神経がシーソーのように上下し変動してバランスを保ちながら私たちの身体の機能を維持しています。

ストレスの多い現代人は交感神経優位の状態が続きやすく、副交感神経の働きが弱まり、免疫力が低下しやすい傾向にあります。

副交感神経を優位にして自律神経のバランスを整え免疫力を高めるには、睡眠や運動、ストレス軽減、生活リズムなどを整えることが大切ですが、なかでも食事は自律神経と深い関係にあります。

食事の消化活動は副交感神経の働きによって行われているとともに、私たちの身体は想像以上に食べたものでつくられているのです。

現代栄養学の礎を築いたともいわれるルドルフ・シェーンハイマー学者によると消化器系の早い細胞ではたったの3日間で食べたものと入れ替わっていることが判明しています。

脂肪、骨、脳細胞も順次入れ替わり、分子的には1年も経てばほぼ全てが入れ替わることになります。 同じようにみえる自分の体でも細胞レベルでは1年前の体とはある意味別の体に生まれ変わっているということです。

そして、全身の免疫細胞の約70%以上が小腸に集中しているので、腸が免疫力を司っているともいわれています。 腸の神経層は自律神経を通じて脳とつながっているので、腸が正しく働くためには自律神経がきちんと機能していることが大切です。

自律神経が正常に働けば免疫力が高まり、免疫力が上がれば病やストレスにも強い心身、老化予防にもつながり、また自律神経のバランスも乱れにくくなります。

細胞の酸化を防ぐ抗酸化食品や、細胞膜を柔軟にしてくれる良質な脂質、腸内細菌が喜ぶ食生活等は、全てが血液や細胞、お肌の材料となるために連携を取り合い、自律神経の交感神経と副交感神経のバランス、免疫力に大きく関わっているのです。

自律神経と免疫力の関係

自律神経を整える食品

発酵食品で免疫力アップ

味噌、納豆、醤油、漬物、酢、ワインなどの発酵食品には、物質を発酵させる微生物の働きによって食材から豊かな香りやうまみ、体に有益な栄養成分が産生されます。

そして食材の栄養成分に加え、麹菌や酵母などの微生物が生み出す酵素のパワーを得ることができます。この酵素が腸内環境を整え、免疫細胞を活性化してくれる作用があるのです。

腸は全身の免疫機能の約7割を司っているので、腸がきれいになると健康な血液がつくられ、リンパ球が増え副交感神経が優位になり免疫力アップにつながります。

醤油に含まれるアスペラチンと、味噌や酢に含まれるリノレン酸、エチルエステルには抗がん作用も期待されています。

きのこ類や海藻類で腸を元気に

「脳腸相関」と言って腸の神経層は自律神経を通じて脳とつながり、腸と自律神経は相互に作用しています。

「腸は第二の脳」「病の根源は腸内環境の乱れ」などと言われるほど人体の中でも腸は特に重要な臓器なので、腸内細菌のバランスを整える食生活が大切です。

腸をきれいにするための食品は前述した発酵食品のほか、意識しないと不足しがちになりやすい食物繊維とミネラルです。

私たちの身体に必要な5大栄養素がありますが(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)食物繊維には糖質の吸収を遅らせ、コレステロールの排出を促進したり、発がん性物質の働きを弱め、便通を改善してくれる働きがあることから6番目の栄養素として重要視されています。

また、ミネラルには身体の構成部分となったり身体の調子を整えたりするといった重要な働きがありますが、無機質であるミネラルは体内ではまったく合成することができない元素なので、食品などから積極的にとりいれていくことが大切です。

そして、マグネシウム・カリウム・カルシウムといったミネラルや食物繊維には副交感神経を優位にしてくれる働きがあります。

消化活動は副交感神経の働きによって行われるので、食物繊維は消化管で働く時間が長くかかるため、それによって副交感神経が働く時間も長くなるのです。

消化吸収に時間のかかる食物繊維は血糖値の上昇を穏やかにしくれる作用もあります。 きのこ類には不溶性食物繊維をはじめビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。

きのこ類に含まれる食物繊維のβグルカンは消化されずに腸に届き、副交感神経を活発にして免疫力を高めるとともに、病気や老化を引き起こす原因ともいわれる活性酸素を体外へ排出する働きがあります。

昆布やわかめなどの海藻類には水溶性食物繊維を多く含み、アルギン酸、ミネラル、マグネシウム、亜鉛が豊富。亜鉛にはビタミンCとともに美肌に欠かせないコラーゲンの合成をサポートしてくれる働きがあります。

さらにネバネバ成分のフコイダンには抗炎症・抗がん作用があり、理想的な免疫力アップ食材です。

生野菜の酵素で免疫力アップ

日々の食生活では、ビタミンや食物繊維が豊富な野菜も欠かせません。 野菜にはキャベツや大根など色の薄い淡色野菜と、ブロッコリーやニンジンなど色の濃い緑黄色野菜があります。

淡色野菜は主にビタミンCを多く含み、緑黄色野菜はビタミンEやベータカロテンなどが豊富に含まれています。 これらのビタミン・ミネラルを効率良く摂取するために、加熱時間を短くして栄養素の流出を防いだり、スープで栄養素を丸ごといただく方法も良いでしょう。

また野菜や果物に含まれている酵素は熱に弱いので、スムージーやサラダなど生野菜としても摂り入れたいものです。

我が家ではオーガニックの葉野菜を生でとるようになってから風邪をひきにくくなったり、肌荒れの改善、難病を患う家族の頑固な便秘にも効果を実感しました。

ニンジンリンゴジュース

自律神経のバランスが崩れる原因の一つとして「食べ過ぎ」「栄養のとり過ぎ」ということがあります。

健康を考え体に良いといわれるものを、あれもこれもと摂り入れて、結果的に食べ過ぎや栄養過多な状態に陥ってしまっては本末転倒、逆効果です。

自然の植物たちに肥料を与え過ぎてしまうと枯れてしまうように、私たちの身体も栄養の摂り過ぎは様々な体調不良のトリガーとなってしまいます。

胃や腸が健康でないと良いものをとりいれても吸収できません。朝・昼・夜の一食を抗酸化力の高いニンジンリンゴジュースに置き替えることで、体内の不要な毒素や老廃物が排出しやすくなります。

リンゴのポリフェノールやペクチン、ニンジンのカロテンにはデトックス作用があると同時に強い抗酸化作用を持ち、人間の体に必要なビタミンやミネラルも全て含まれています。

リンゴとニンジンの相乗効果により体内の毒素が排出されると、腸が元気になり、優れた栄養素も体内へ吸収されやすくなります。

脳の神経伝達物質セロトニンやドーパミンの材料は腸で作られているので、腸内環境が良くなればパーキンソン病やアルツハイマー病にも効果的だと言われています。

完全栄養食の玄米

精製された白米は胚芽やぬかが取り除かれ、ビタミンや栄養素が失われてしまっています。 玄米・麦・雑穀類には食物繊維、たんぱく質、ミネラル、ビタミン類などをバランス良く含み、主要な栄養素が豊富に詰まった優秀な食品です。

完全食とも言われている玄米には白米のおよそ9倍もの食物繊維を含み、腸の働きを活発にしてくれます。 リラックス効果のある神経物質GABAも含まれ、脳の血流を活性化し、精神を落ち着かせ、イライラや情緒不安定にも効果を発揮。

また、白米と比べて玄米はゆっくりと吸収されるため、食後の血糖値の上昇を抑えてくれます。 通常の白米に玄米や雑穀類を混ぜて焚けば食べやすいでしょう。

酢キャベツ・酢玉ねぎ

キャベツの「イソチオシアネート」や玉ねぎの辛み成分「アリシン」には血管を若返らせて血流を改善し、自律神経を整える働きがあります。

動脈硬化や高血圧予防をはじめ様々な生活習慣病、がん予防、肥満、アレルギー、物忘れ、疲労回復、免疫力アップ、そしてアンチエイジングにも役立つことが知られています。

そして、お酢と混ぜて有機酸になることでミネラルや栄養素が体内へ吸収されやすくなります。 豊富なカリウムが体内のミネラルバランスを整え、アリシンには過剰な活性酸素や毒素を除去する働きがあります。

お酢単体では体を冷やす作用がありますが、玉ねぎやキャベツと組み合わせることでその作用は相殺され、食後の血糖値の上昇も穏やかにしてくれます。

使用するお酢の種類は、通常の穀物酢よりも長期熟成発酵してつくられたアミノ酸や栄養素がぎっしり詰まった黒酢がおすすめです。

黒酢の魅力とレシピはこちら

辛い物や酸っぱい食べ物

私たちの体にはストレスや不快なものを排出しようとする働きが備わっています。 ネギ、ショウガ、ワサビ、トウガラシ、レモン、梅干し、お酢などの辛い物や酸っぱい食べ物、またアクの強い山菜といった刺激のある食品は副交感神経を優位にしてくれる働きがあります。

これらを体は有害物質ととらえ、排出しようとする働きが活発になることで副交感神経が優位になり、血管が拡張して血流も良くなります。

ネギ、ショウガ、ワサビなどの辛み成分は新陳代謝を良くし、体温を高めてくれるので、細胞内のミトコンドリアが活発になり免疫力アップにつながります。

また、ネギの白い部分にはアリシンという免疫力を高め、体温を上げてくれる作用があります。青い部分にはビタミンが豊富に含まれているので、青い部分も捨てずに一緒に食べることでアリシンとビタミンの相乗効果でよりパワーアップし体内への吸収をサポートしてくれます。

ただし、食べ過ぎは逆効果。胃腸などの負担になると同時に交感神経が優位になってしまうので、適量をとりいれることがポイントです。

ネギの辛み成分イソチオシアネートについて

体内ミネラルに近い塩を選ぶ

塩は高血圧の原因といわれたり、健康のために減塩することが良い風潮となっていますが、これは塩の品質に問題があります。

飲食店での使用や、スーパーに並べられている多くの塩は不自然に精製された「精製塩」といわれる塩化ナトリウムが99%以上の成分です。 カリウムやマグネシウム、カルシウムなど、人間の体にとって必要なミネラルが失われてしまっているのです。

体にとって悪い塩というのは、ミネラルバランスを欠いた精製塩のことで、つまり塩化ナトリウムのとり過ぎが体内バランスを崩し、体の不調や病気を招くことにつながってしまうのです。 私たち生命は遥か昔、海から誕生しました。

海水のミネラルバランスと人間の体内ミネラルバランスの比率は同程度で、このミネラルバランスを持つのが「天然塩」や「自然塩」と呼ばれる塩です。

50年前と比べて、農薬や化学肥料等で農地は疲弊し、野菜や果物のミネラルや栄養価は下がり、不自然な塩の製造方法などによって、現代ではミネラルが不足しがちだといわれています。

健康な心と体を維持するためも本来のミネラルバランスを持つ体にとって必要な塩を選んで、積極的にミネラルをとりいれていくことが大切です。

良い塩の選び方は、製品の裏などに小さく書いてある製造方法の「工程」をチェックすることがポイントです。昔ながらの製法でミネラルが失われていないのは天日や平釜です。

身体の声に耳を傾ける

現代社会は過剰なストレスや食品添加物、環境ホルモンなどにさらされやすく、これらが体内に入り蓄積され続けることで交感神経優位な状態が続き、自律神経のバランスが乱れ、身体の不調や病気の原因になります。

化学調味料や食品添加物の多い食品、体を冷やす白砂糖などを極力避けて、天然の発酵食品や野菜など自然に沿った食材をバランス良くとり入れながらストレスを溜めないように生活していきたいものです。

一方「〇〇をしなければ、〇〇は絶対にダメ」など、こだわり過ぎてもストレスになってしまうので、身体の声に耳を傾けて今食べたいものを食べたり、リラックスしながら楽しく食事をとることも大切です。

1日の活動量が少なかったり、食欲がない時は食事量を減らしたり、1食抜いてみたり、その時の身体の状態にあわせて食生活も柔軟に変えていきましょう。

そして過度な飲酒は交感神経が優位になってしまいますが、適量のお酒を楽しむ事はストレス解消にもなり、毒素を排出しようと副交感神経が優位に働きます。

また、「身体に良いから」「バランス良く」といってあれもこれもと品数を増やして食べ過ぎてしまうと「栄養のとり過ぎ」となり、交感神経が優位になるので注意しましょう。

栄養は少し足りないぐらいの方がミトコンドリアが活性化し、成長ホルモンの分泌を促し、免疫力が高まりやすくなります。

何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」で、栄養の摂り過ぎ、食べ過ぎを控え、腹8分目の適度な食事量は食べ物からの栄養素の吸収を高めてくれます。

食生活の他にも規則正しい生活リズムや適度な運動をとりいれながら、無理せず楽しくストレス発散していく生活習慣を送ることが自律神経を整え、免疫力アップの近道となるでしょう。

 

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病を患っています。 これまでの経験から栄養学、免疫学などを学び、難病の進行抑制、エイジング対策に情熱を注いでいます。
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