自律神経と免疫力の関係とは?白血球のバランスが鍵

私たちの身体は日々、様々なウィルスや外敵にさらされています。

ですが空気中のウィルスや食べ物に付着した細菌、体内の傷ついた細胞などは免疫の機能によって排除されて、身体は守られています。

この免疫システムを担うのが血液中の白血球です。

自律神経のバランス関係

自律神経は私たちの体にある約37兆個もの細胞をコントロールし、免疫系やホルモン系にもかかわり、体内環境を整える重要な神経です。

自律神経は、血管に巻き付くようにして全身に張り巡らされています。自律神経は交感神経と副交感神経に分けられ、片方が優位になると片方が下がり、相反する関係で交互に働いています。

交感神経の働き

交感神経は日中の活動時や緊張した時、脳の興奮時、過剰なストレス、寒さなどで働く神経です。

交感神経が優位になると副腎からアドレナリンが分泌され、その受容体を持つ白血球の顆粒球が増え、心拍数や血圧が上昇します。

アドレナリンは血管を収縮させる作用があるので、消化活動や排尿排便が抑えられ、血流障害がおこり酸素や栄養が全身の細胞に行きわたりにくくなることに。

そのため極度の緊張、興奮状態にさらされている時や何かに集中している場面では、食欲が減ったり、お手洗いに行くのを忘れたり、花粉症なのにくしゃみがぴたりと出なくなったりした経験はありませんか?

これは体を戦闘モードにするための人体にとって必要な働きによるもの。ただ交感神経の緊張状態があまり長く続いてしまうと、白血球のリンパ球は減り顆粒球が増え、体内で活性酸素が過剰に発生する原因となります。

このリンパ球と顆粒球のバランスが崩れることで免疫システムが低下し、身体にとって大きなストレスとなってしまうのです。

副交感神経系の働き

副交感神経は主に夕方から夜にかけて活発になり、食事中や睡眠中などリラックスしているときに優位になる神経です。

副交感神経が優位になるとアセチルコリンというホルモンが分泌され、その受容体を持つ白血球のリンパ球が増え、心拍数が安定し血圧が下がります。

アセチルコリンは血管を拡張させる作用があるので、胃腸の働きが活発になり食欲旺盛になったり、血流が促進され、体温が上がり眠気をもよおしたりします。

リンパ球は免疫力を発揮してさまざまな病気を予防する働きがありますが、増加し過ぎるとリンパ球が異物でないものにまで過剰反応をおこし、その結果花粉症や喘息、アトピーやアレルギー反応を引き起こしてしまいます。

交感神経と副交感神経はどちらか一方に偏り過ぎると免疫力低下につながるので、活動状態によってバランス良く切り替わることが健康を維持するうえで大切です。

白血球の状態は健康の鏡

免疫とは私たちの身体に本来備わっている原始的な自然治癒力である「自然免疫」と、後天的に形成されていく新しい「獲得免疫」の2系統に大きく分けられます。

自然免疫はがんなどの異常細胞の発生や細菌の侵入を防ぐ働きが。獲得免疫は一度かかった病原菌などを記憶して再び同じ病気にかからないように抗体を産生したり、自然免疫よりも強力な防衛作用があります。

この免疫力を司っているのが血液中の白血球です。白血球にはさまざまな種類がありますが主に「マクロファージ」、「顆粒球」、「リンパ球」にわけられ、それぞれの役割があります。

強力なリンパ球

自然免疫はマクロファージや顆粒球が担い、獲得免疫はリンパ球が担っています。自然免疫は古くからある原始的な免疫で、獲得免疫は進化の過程で新しく形成された免疫。

マクロファージは司令塔の役割を果たし、リンパ球や顆粒球へ防御に必要な指示を出します。リンパ球はマクロファージの指示を受け、顆粒球が逃した細菌などの異物もきめ細かく処理していきます。

私たちの体内では誰でも毎日がん細胞が生まれていますが、リンパ球のNK細胞にはがん化した細胞を排除するほど強力な働きがあります。

この免疫システムがバランスをとり、しっかりと働いていれば、がん細胞を増殖させずに健康を維持できるということ。

白血球のバランス

加齢やストレス、投薬、罹患、悪い食生活習慣などによってリンパ球は徐々に減る傾向にあるので、多くの場合は副交感神経を優位にしてリンパ球を増やしていくことが免疫力アップにつながるといわれる理由です。

白血球の中でも免疫力の指標といわれるリンパ球ですが、反対に多過ぎるとアレルギー症状や喘息などを引き起こしてしまいます。

リンパ球と顆粒球はどちらに傾いても免疫のバランスが崩れてしまうことに。 免疫が高い状態とは、リンパ球が減らずに顆粒球が増え過ぎずバランスのとれている状態のこと。

白血球の割合はそれぞれがバランスを保つことで連携を取り合い、チームプレーで外敵と戦うことができます。 白血球の構成バランスは、顆粒球が60%、リンパ球は35%、マクロファージは5%程度であることが健康バロメーターのおおよその目安といわれています。

この割合はストレスや生活習慣、年齢、気候などによって常に変動しています(マクロファージの変動はありません)。

ストレス過多の生活を続けていれば顆粒球が増え、リンパ球は減り、がんや生活習慣病などさまざまな病気のリスクが高まることに。

スムーズな新陳代謝で免疫力アップ

私たちの肌や身体、全身の細胞は毎日、古い細胞と新しい細胞がスムーズに交換され細胞の更新がされることで、すこやかな肌や髪がつくられたり、精神と体の健康へとつながっています。

細胞は働くことと、更新することを同時にこなすことはできません。

リラックスした副交感神経が優位な状態の時に、傷ついた細胞の修復や更新が行われます。 つまり細胞の更新がスムーズに行われることで、病気の予防やアンチエイジングにもつながることになるのです。

現代人の多くは交感神経が優位だといわれているので、副交感神経を優位にする工夫を心がけることが大切。自律神経のバランスが良くなることで、細胞のスムーズな更新ができ、体の免疫システムが強化されます。

また免疫学の権威安保先生によると、理想的なリンパ球の比率は35~40%だといわれています。血液検査の際に、白血球の分類をお願いすれば保険適用で自分のリンパ球の割合を知ることができます。

リンパ球の比率はストレスや服薬状況、生活習慣、年齢等で変化していますが、今の自分の体の状態を知ることで健康管理へのひとつの指標となるのではないでしょうか。

自律神経を整え免疫力を高める食べ物  

 

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病。 食生活やライフスタイルを見直したことで心身の良い変化を実感し、これまでの経験から難病の進行抑制、心と体の健康、エイジング対策探求に情熱を注いでいます。
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