ケルセチンで「血流改善」「炎症抑制」ケルセチンとは?

ケルセチンはタマネギやリンゴ、お茶に多いポリフェノールとして知られています。ケルセチンには細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用をはじめ血流を改善して動脈硬化を予防するなど多くの健康効果に期待できる抗酸化物質です。

ケルセチンとは

ケルセチンはポリフェノールの種類でフラボノイドと呼ばれる植物化合物のグループに分類されます。強力な抗酸化物質で、抗炎症作用、血流の改善、コレステロール値を下げる、関節痛の症状緩和、動脈硬化を予防する効果などで知られています。(2)

ケルセチンのフラボノイドはビタミンPという水溶性ビタミン様物質としての働きもあり、ビタミンCの吸収を助けるためコラーゲンの合成を促進し、肌のしわやたるみを予防。

みかんやそばに含まれるヘスペリジン、ルチンなどもフラボノイドの仲間なのでビタミンPの働きをして、免疫力を高めて風邪をひきにくくする効果に期待できます。

ケルセチンは体内で抗酸化物質として機能し、活性酸素による細胞のダメージや炎症を抑えます。

活性酸素は本来、体内に入ってきた有害物質やウィルスなどから体を守ってくれる働きがありますが、過剰に生成されてしまうことで正常な細胞やDNAを損傷したり、炎症を引き起こし、さまざまな病気や老化促進の原因となってしまいます。

活性酸素が増えてしまう原因は加齢、ストレス、睡眠不足、喫煙、多量飲酒、食べ過ぎ、添加物の多い食生活、長時間のパソコンやスマートフォンからの電磁波、大気汚染、化学物質などがあげられます。

これらの食生活を見直して、ケルセチンなど抗酸化作用の高い食材を日々意識して摂りいれることで細胞の若さを保ち、免疫力を高め、老化を遅らせることにもつながります。

ケルセチンはタマネギやリンゴ、そば、アスパラガス、ほうれん草、ブロッコリー、お茶、ワイン、ベリー類、柑橘類などに含まれています。

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ケルセチンの健康効果

血管の健康を保つ

抗酸化作用をもつケルセチンには硬くなった血管をしなやかにして血流を改善する作用があります。血管の一番内側にある内皮機能を改善するため、血管の柔軟性が保たれ、血液が流れやすい状態に。(1)

血流が改善することで体のすみずみまで十分な酸素や栄養を届けることができ、新陳代謝が高まり、血栓や動脈硬化を予防する効果に期待できます。

血糖値や血圧降下作用

ケルセチンは血糖値や血圧の上昇を抑制し、悪玉コレステロール値を下げる働きが知られており、糖尿病などの生活習慣病の予防に役立つと考えられています。

ケルセチンは、小腸、すい臓、骨格筋、脂肪組織、肝臓の細胞と相互作用して全身の血糖を調整することが報告されています。

そのほかケルセチンの強力な抗酸化作用、抗炎症作用は、がん、神経変性疾患、心血管疾患などの予防や改善に役立つ可能性があると考えられています。(3)

アレルギーなど炎症を抑制

ケルセチンは抗炎症作用をもつことから、活性酸素によって引き起こされる炎症を抑制するのに役立つ可能性があります。

炎症は感染や怪我から体を守るために戦う必要な反応ですが、ストレスや活性酸素などによって体内で慢性的に炎症が継続しているとさまざまな病気の原因となったり健康上の問題に関わってきます。

炎症は酸化、糖化に次ぐ3つ目の病気や老化の最大原因ではないかと注目されています。

ケルセチンはアレルギーの症状を引き起こすヒスタミンなどの炎症物質を抑制する機能性があります。(4,5)ドイツでは抗ヒスタミン剤としてかゆみ抑制にアトピー患者の方に使用されているということ。関節痛の症状を改善する効果にも期待されています。

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効果的な食べ方

ケルセチンは水に溶けやすく、熱に弱いので、玉ねぎをスライスしたら水にさらさず食べた方がそのままの栄養素を摂取することができます。そして抗酸化作用のあるビタミンCを一緒に摂ると吸収率がアップ。

また食材の残留農薬などは体内の炎症を引き起こしたり、体にさまざまな悪影響を及ぼす原因となるので、無農薬で栽培された食材を選ぶことも大切。オーガニックの野菜は美味しく安心して食べられるだけでなく、栄養価も高いです。

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【参考文献】

(1) Bischoff SC. Quercetin: potentials in the prevention and therapy of disease. Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2008 Nov;11(6):733-40. doi: 10.1097/MCO.0b013e32831394b8. PMID: 18827577.

(2) Boots AW, Haenen GR, Bast A. Health effects of quercetin: from antioxidant to nutraceutical. Eur J Pharmacol. 2008 May 13;585(2-3):325-37. doi: 10.1016/j.ejphar.2008.03.008. Epub 2008 Mar 18. PMID: 18417116.

(3) Eid HM, Haddad PS. The Antidiabetic Potential of Quercetin: Underlying Mechanisms. Curr Med Chem. 2017;24(4):355-364. doi: 10.2174/0929867323666160909153707. PMID: 27633685.

(4) Mlcek J, Jurikova T, Skrovankova S, Sochor J. Quercetin and Its Anti-Allergic Immune Response. Molecules. 2016 May 12;21(5):623. doi: 10.3390/molecules21050623. PMID: 27187333; PMCID: PMC6273625.

(5) Shaik YB, Castellani ML, Perrella A, Conti F, Salini V, Tete S, Madhappan B, Vecchiet J, De Lutiis MA, Caraffa A, Cerulli G. Role of quercetin (a natural herbal compound) in allergy and inflammation. J Biol Regul Homeost Agents. 2006 Jul-Dec;20(3-4):47-52. PMID: 18187018.

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病。 食生活やライフスタイルを見直したことで心身の良い変化を実感し、これまでの経験から難病の進行抑制、心と体の健康、エイジング対策探求に情熱を注いでいます。
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