コレステロールのバランスを保つためにとりいれたい9種類の食べ物

コレステロールは私たちの体に存在し、健康維持のためになくてはならない脂質の一つです。

コレステロールはリン脂質と共に全身の細胞およそ37兆個の細胞膜をつくったり、消化吸収を助ける胆汁酸やホルモンの原料ともなっています。

コレステロールは肝臓でつくられたコレステロールを全身の各組織へと送り届ける役割があります。そして善玉コレステロールと呼ばれているHDLコレステロールは余分なコレステロールを回収して肝臓へ戻すという役割があります。 

 LDLコレステロール(悪玉)も本来は体にとって必要な働きをしてくれているのですが、過剰に作られてしまうことが問題となっています。

過剰なLDLコレステロール(悪玉)はHDLコレステロール(善玉)の回収が間に合わなくなり、血管壁に付着して血液の通り道を狭め、動脈硬化などを引き起こす可能性がでてきます。

脳の血管で同様のことがおきれば、血管が狭くなったり詰まったりして脳梗塞の引き金となったり、心臓の血管で同様のことがおきれば心筋梗塞などのリスクが高まってしまいます。  

 

   

1.鮭や青魚、魚介類

イカなど魚介類に含まれるタウリンや亜鉛には、過剰に作られた悪玉コレステロールを低下させる作用があります。

そして、鮭や青魚のサバ、イワシなどに含まれるDHA・EPAといったオメガ3系脂肪酸は私たちの脳や目、皮膚、中枢神経系に含まれる脂肪酸で、細胞膜を構成し、血管や神経を若々しく保ち健康とアンチエイジングに欠かせない脂質です。

オメガ3脂肪酸はHDLコレステロール(善玉)を増加させたり、体内の炎症を抑えてアレルギー症状やアトピー、気管支喘息、関節炎の痛み改善にも効果が期待されています。

 DHAは細胞膜や血管をしなやかにし、EPAは血小板凝集抑制作用により(いわゆる血液サラサラ効果)血管を拡張し、血栓を予防します。

細胞膜が柔らかくなることで血流が改善され、高血圧・中性脂肪・LDLコレステロール(悪玉)値を下げ、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを下げると言われています。

さらに、脳の神経細胞の活性化、脳神経の再生、神経細胞間の情報伝達機能が高まることで神経伝達物質セロトニン量が増え、情緒が安定し、うつ病などの精神疾患や、認知症、脳の神経疾患パーキンソン病の改善にも効果を期待されています。

魚をよく食べる人は心筋梗塞や脳卒中のリスクが低いといわれています。 そして、鮭の赤い色素成分アスタキサンチンには強力な抗酸化作用があり、酸化しやすいDHA・EPAを保護しながら細胞の酸化を抑制してくれるので、アンチエイジングと優れた相乗効果を望めます。  

2.アボカド

”森のバター”といわれるほど脂肪分が豊富なアボカドは「世界一栄養価の高い果物」としてギネスブックに認定されています。

その脂質の主体はオリーブオイルに含まれるオレイン酸(不飽和脂肪酸)と同じで、LDLコレステロール(悪玉)や中性脂肪を減らし、動脈硬化を防ぐ働きがあるといわれています。

アボカドに含まれるビタミンEは「若返りのビタミン」と言われるほど優れた抗酸化作用があり、脂質の酸化を防いで、アンチエイジングにも欠かせない成分です。

他にも血管を若く保つ葉酸や、ビタミンB群、食物繊維が豊富で、むくみをとるカリウムはバナナの2倍も含まれています。  LDLコレステロール(悪玉)を減らすためには1日1個のアボカドを食べると効果を期待できるといわれています。  

3.トマト

トマトの赤い色素成分である「リコピン」はカロテノイドの一種で、野菜の中でもビタミン、ミネラルが豊富で非常に優れた抗酸化作用があります。

リコピンの抗酸化作用はニンジンやブロッコリーよりも強力だと言われ、アンチエイジング成分として注目されるほか、中性脂肪やLDLコレステロール(悪玉)を減らす働きがありHDLコレステロール(善玉)を増やす効果があると期待されています。

カリウムも豊富なので、むくみの改善、高血圧を下げる働きもあります。 トマトは熱に強く、加熱する事でトマトの栄養価はアップし、良質なオリーブオイルなど脂質と一緒に摂取すると体内への吸収率が高まります。

トマトと脂質を一緒にとりいれることで健康効果がより高まり、動脈硬化による心疾患や脳梗塞などの予防効果を得られるとの研究結果も発表されています。  

4.ニンニク

ニンニクはガン予防に有効性のある野菜類としてアメリカ国立がん研究所が作成した「デザイナーフーズピラミッド」のトップに君臨するほど優れた健康効果があります。

ニンニクの匂い成分のもと「アリシン」は硫黄化合物の一種で、肝臓に貯蔵されているコレステロールを胆汁へ排出するのを促してLDLコレステロール(悪玉)を減らす働きがあります。

他にもアリシンには、いわゆる血液がサラサラになる血小板凝縮抑制作用があります。血小板が集まることでできる血管の詰まりを防ぎ、血液がサラサラになることで全身の細胞へ必要な酸素や栄養素がスムーズにいきわたりやすくなり、高血圧や動脈硬化の予防につながります。

デザイナーフーズピラミッド

 

 

5.大豆食品

大豆に含まれるたんぱく質、サポニンやレシチンにはLDLコレステロール(悪玉)を減らす働きがあります。 大豆の脂質にはコレステロール値を下げる働きのリノール酸やアルファリノレン酸といった不飽和脂肪酸が多く含まれています。

血管壁の細胞膜は不飽和脂肪酸が多く、細胞膜が酸化されて過酸化脂質がたまると動脈硬化へとつながる可能性が高まります。

サポニンは細胞膜の不飽和脂肪酸の酸化を抑制すると同時に、過酸化脂質が細胞を傷つけるのを予防する働きがあります。 脂質の一種であるレシチンは細胞膜を構成する重要な成分で、脂質の代謝を改善するといわれています。

さらに、女性ホルモンと似た作用をもつ大豆イソフラボンはポリフェノールの一種で優れた抗酸化作用があります。

 LDLコレステロール(悪玉)が酸化されるのを防ぐと共に、LDLコレステロール(悪玉)を減らしHDLコレステロール(善玉)を増やす働きがあります。

大豆に含まれる植物ステロールの一種であるカンペステロールは、腸での余分なコレステロールの吸収を抑えてくれます。

一方、納豆などには食物繊維が豊富でコレステロール値を下げる働きがありますが、大豆から繊維分を取り除いてつくられる豆腐や油揚げなどに含まれる食物繊維は少なくなってしまいます。  

6.クルミ

クルミはナッツ類の中でもオリーブオイルに含まれるオレイン酸、魚油に含まれるDHA・EPAのオメガ3脂肪酸、強力な抗酸化作用を持つビタミンEや食物繊維を豊富に含みます。

オメガ3脂肪酸は血管内の炎症を抑えて血管を柔らかく保ち動脈硬化を防いで、LDLコレステロール(悪玉)や中性脂肪を減らす効果があると期待されています。

1日10個のクルミで血管年齢が若返ったとの研究報告もあり、クルミを日々の食生活に摂り入れることで血管年齢が若くなるといわれています。

血管年齢と見た目年齢は比例しているともいわれ、クルミはアンチエイジングにも嬉しい食材です。  

7.海藻類

わかめや海苔、ひじき、昆布などの海藻類には各種ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維の一種である「アルギン酸」は腸内のコレステロールを原料とする胆汁酸を一緒に体外へ排出させる働きがあります。

胆汁酸の腸肝循環によって腸壁からの再吸収を防ぐため、間接的に血中コレステロールや中性脂肪を減らすことにつながり、動脈硬化などの予防に役立つとされています。

アルギン酸やミネラルは腸内の水分を増やし、便を柔らかくする働きがあり、免疫を司る腸内環境も整えます。  

8.ココアやダークチョコレート

ココアやダークチョコレートに含まれているカカオポリフェノールには高い抗酸化作用と優れた健康効果があることで知られています。

カカオポリフェノールが血管内の活性酸素による酸化やコレステロールが留まるのを防ぎ、HDLコレステロール(善玉)を増やし、LDLコレステロール(悪玉)減らして動脈硬化を抑制する効果を期待できます。

カカオポリフェノールは血管の健康を保ち、高血圧予防のほか、脳の神経細胞の活動を促すたんぱく質を増やす働きがあるとの研究報告もあります。

ダークチョコレートの健康効果を望むなら、カカオ70%以上のものを選ぶことがポイントです。  

9.水溶性食物繊維

野菜にはキャベツや大根など色の薄い淡色野菜と、ブロッコリーやニンジンなど色の濃い緑黄色野菜があります。 淡色野菜は主にビタミンCを多く含み、緑黄色野菜はビタミンEやベータカロテンなどが豊富に含まれています。

コレステロール値を下げるためには少量ずつでも色々な種類の食材をとるように心掛け、それぞれの有効成分をとりいれることが大切です。 

また、食物繊維には水溶性と不溶性があり、コレステロールを下げる働きが強いのは水溶性食物繊維だといわれています。

消化液の一種である胆汁酸はコレステロールを原料に肝臓でつくられ、肝臓から十二指腸へ分泌し、消化の役目を終えると腸壁から吸収されて肝臓に戻ります。

食物繊維は胆汁酸が再び腸壁から吸収されるのを妨げ(胆汁酸の腸肝循環)、胆汁酸を包み込み一緒に体外へ排出してくれるのです。

胆汁酸が減少することで不足した胆汁酸を補おうとして、原料であるコレステロールが使われ、結果的にLDLコレステロール(悪玉)の減少につながることになります。

さらに、食物繊維は腸内のコレステロールも包み込み一緒に体外へ排出する作用があるので、腸からコレステロールが吸収されるのを抑制してくれます。

水溶性食物繊維を多く含む主な食品

  • ニンジン
  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • ゴボウ
  • レンコン
  • ほうれん草
  • オクラ
  • キャベツ
  • 海藻類
  • コンニャク
  • 穀類(玄米、ライ麦など)
  • さつま芋やじゃが芋などの芋類
  • 大豆食品
  • キノコ類
  • 果物(バナナ、キウイ、イチゴなど)

 

食に気を配る習慣

細胞膜やホルモンなどの材料となったり健康や美肌のためにも大切なコレステロールは、善玉と悪玉のバランスを保つことが重要です。

そのためには、食生活も偏らないようにバランス良く、色々な食べ物から栄養素をとりいれることで相乗効果が高まり、効率良く体内へ吸収されやすくなります。

野菜や果物は農薬や化学肥料が用いられていない、なるべく無農薬の野菜を購入したり、食品添加物などが大量に使われている加工食品や調味料などをできるだけ避けて、身体に安全で負担をかけない食材を選んでいくことも、日々の積み重ねが将来の病気の予防やアンチエイジングにもつながります。

食に気を配る習慣を身につけて、身体の不調を改善し、老化の速度をゆるやかにしていきましょう。      

 

食生活アドバイザー。スキンケアスペシャリスト。温泉ソムリエ。アラフォー女性健康美容ライター。 ストレスから睡眠障害、喘息発症、帯状疱疹を患う。夫は進行性の神経難病。 食生活やライフスタイルを見直したことで心身の良い変化を実感し、これまでの経験から難病の進行抑制、心と体の健康、エイジング対策探求に情熱を注いでいます。
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